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毎日の暮らしの中にある大好きなもの、こと、出合(会)いなどについての気まま日記

ゴールデンスランバー

2008-08-06 14:50:29 | 読書
野党から初めて首相に選ばれた金田は、パレード中突然出現したラジコンヘリコプターの爆発によって暗殺される。
容疑者としてあがったのは、2年前強盗に襲われたアイドル歌手を救った宅配ドライバー。
一躍スポットライトを浴びた青柳晴彦だった。
彼は数ある容疑者候補の中の一人。
持ち上がりで濡れ衣をかぶることになったのだった。
マスコミから伝えられる情報は、彼を知っている人たちにとって「本当に!?」と思えることばかり。
しかし、彼にとって不利な情報ばかりが次々出てくる。

パレード中に暗殺。
ケネディ暗殺を連想させる話だと思いながら読んでいたら、やはりこれがモチーフになっていた。
無実の人間が、警察がらみでどんどん追い詰められていく。
こんなことありえない・・・
なんてことはないわけで、真実は明らかになっていないながらもケネディを殺したのはCIAだといわれている。
死人に口なしで殺されたオズワルドは、どんな心境だったのだろう。

「マスコミは、嘘はつかないが(つくぞ)流す情報の取捨選択はやる。
 多数意見や世論、視聴者の興味や好みにあわない情報は流さない。」
大きな権力にとって、これは国民を騙すにはとても都合のよいものだ。
利権がからむと、人間どんなことだって平気でするから怖いね。
守ってくれるはずの機関が犯人と断定してかかって来た時、逃げ場はあるのだろうか。

「ゴールデンスランバー」 伊坂幸太郎