鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【第382回】 規模拡大の前に

2012年01月17日 | 住宅コンサルタントとして
昨日お伺いしていた住宅会社のクライアントは、
本当に長いお付き合いをさせていただいております。

お付き合いをさせていただいた当初は、集客数はメチャクチャあるものの、
営業の手法が分からない、ということで、お客様から依頼があれば、
お客様がおっしゃったとおりプランニングをし、見積と図面を提出するものの、
全く契約につながらない、というサイクルになっておられました。

当時、別のコンサルタントの方が入っておりましたが、
社長がたまたま私のセミナーに来られ(当時はまだセミナーをやる時間があったのです)
その後「ぜひ、ウチのコンサルをやって欲しい」と言われ、
私が入ることになった先です。

で、実際に営業をされていたのが、住宅の監督をされていた男性と、
住宅業界未経験の女性の2名。
当時の私も若かったですが、その私よりもお2人とも若い・・・。

若手ペーペーコンサルタントと住宅営業未経験のスタッフ2名に、
この会社の住宅会社の未来を社長は託されたのです。

私がお付き合いをさせていただいた頃は、住宅事業はウルトラ赤字の状態でした。
そんな中、お2人は若く素直だったので、
私がご提案する手法を素直に吸収していただきました。

そしてお2人に力が付き、受注出来る営業力がついてきた頃に、
今度はお客様のご来場が激減するということになりました。

まだまだ実績も無く、自社の家づくりのコンセプトも市場に十分伝わっていない。
そこでこの地域の住宅会社のどこもやっていない展開を企画し、
全く違うアプローチで市場に対し、マーケティングをコツコツとやってきました。

結果、ブランドイメージが非常に上がり、資料請求やモデルハウスへの来場が激増し、
さらにそれまでやってきたことに成果がいろいろと出て、
OB様からの紹介もコンスタントに発生する、という、理想的な展開になっています。

今、集客数、営業力、商品力の3つのポイントに関しては、本当に素晴らしく、
業績もスタッフ4名にしては非常に良いです。

今のメンバーなら、受注棟数が増えたとしても、お客様にご迷惑をかけることはないでしょう。
それだけの技術もスキルもマインドも揃ったと思います。

ようやく、新卒に入ってもらい、組織を拡大していく段階になったと思います。
ですので、第二段階に入っていきたい、という旨を社長にお話させていただきました。

私は、住宅ビジネスの責任の重さをとても感じています。
家づくりという、一生に一度の選択を託していただいたお客様のご期待を
絶対に裏切るわけにはいかない。
そして、一度出店したということは、そこにOB様がいるわけですから、
簡単に撤退もしてはいけないと思うのです。

ですから、急激な成長、売上や利益の指標も大切かもしれませんが、
やはり本当にお客様が喜ばれる家づくりを安定的に出来るようになることこそが、
まずは大切だと思うのです。

ゆえに、簡単に出店とか、規模の拡大というご提案はしません。

しかし、逆にその体制が出来れば、当然出店をご提案します。

家づくりを託していただいたお客様にご迷惑をかけるような、
レベルの低い家づくりをしているにも関わらず、
規模と売上の拡大が目的になっている住宅会社に、何の魅力も感じません。

とにかく一にも二にもお客様。
良い家づくりをしっかりと出来る会社を目指しましょう!

優先順位づけが、とても大切だと思います。
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