鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【第364回】 これから目指すべきもの

2011年12月30日 | 住宅コンサルタントとして
日本に戻ってきて、日本の良さも日本の街並のイケてなさも、
両方感じている、鬼山住宅コンサルティングの鬼山です。

日本の道を歩いていたり、車を運転していたりして思うのは、
街並全体が洒落ていないということです。

道はゴミもそれほど落ちていなくてキレイですが、
街並は洗練されていないなぁ、とどうしても思ってしまいます。

パリを歩いていて感じたのは、日本のように電信柱と電線が
目の中に入ってこないということと、
下品な看板が無い、ということです。
もちろん、建物が石で出来ていますから、建物自体の外観の統一感があることは
言うまでもありませんが・・・。

モン・サン・ミッシェルやルーブル美術館などの、観光地を見たいという方もいれば、
フランスキレイな街並に憧れたり、癒されたりする人もいるでしょう。

世界中からフランスに来る観光客は7500万人以上で、世界一です。

一方、日本と言うと、京都の清水寺や三千院。
奈良の東大寺。
富士山。
北海道の大自然。
沖縄のリゾートなど、観光資源では全く負けていないのですが、
観光客は800万人未満と、フランスの10分の1程度しかありません。

これは、政府の戦略の差もあるでしょうが、
一度見たらそれで満足してしまうか、
それとも何度でも訪れたくなるかの違いも大きいと思います。

フランスの綺麗な街並。
それからフランス人の愛想の良さを感じると、
もう一度行きたいと思ってしまいます。

一方、日本はどうかというと、観光地そのものは魅力があるかと思いますが、
街を歩いていて、いい気分になるかというと、そうはならないような気がするのです。

街並が洗練されていないのです。

その街並をつくっているのは、住宅業界、それから建設業界なのです。

コストを下げて、売れる商品をつくって売る。
売上と利益だけを求めている、
そんなスタンスでこの業界で働いている企業や人がたくさんいます。

でも、私個人としては、素敵な街並を構成する上で不可欠な、
洗練された住宅をつくっていく必要があると思いますし、
そういう志を持っている企業や経営者を応援させていただきたいと思うようになりました。

もちろん、外観だけではなく、インテリアのコーディネートや素材も、洗練されていないと、
そこに住むお客様にとって良い影響は与えられません。

建物がいくつか連なって街並を構成します。
街並を洗練したものにするのであれば、まずは一つ一つの建物を素敵につくらなければなりません。

ご縁を頂戴しているクライアント企業様、勉強会のメンバーの皆様に
そうした建物をつくってお手伝いを出来れば、と思っています。

もちろん、理想論だけでは商いを継続していくことは出来ません。
ですから、お客様が買える価格帯の中で、どこまで洗練された家をご提供できるか、
ということが重要になってきます。

理想と現実とのバランスを取りながら、日本に素敵な家が増えていくために、
仕事をしたいと思っています。
コメント
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