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生物と無生物のあいだ (福岡伸一著)

2009-01-08 23:43:55 | 書評
どこかのブログで紹介されているのを読んで買って読みました。
著者は生物学者。DNAとかとか細胞内の化学物質の動きとか,そういうのを
研究している人らしく,海外の研究機関で結構長くやっていた様子。
最前線でやっていたようで,熱い研究競争の様子がうかがえて,興味
深かったです。
というわけで面白かったんですが,結構この本売れていて,賞も取ってる様なのですが,そんなに一般受けするような内容なのだろうか?とは少し思いました。新書というか文体も読みやすいので,専門家以外の多少科学に興味がある人なら理解してすらすら本だとは思いますが,ちょっとマイナーな内容じゃないかなぁ。最後の方にES細胞とかプリオンとかマスコミを騒がせた話も出てきますが,ほとんどはDNA発見の周囲の話の様な気もします。
まぁそれでも個人的には生物の定義は自己複製すること…とか,平衡を保つこととか…そういう解釈には共感ができるし,DNA発見に至るまでのゴタゴタもちょっと裏話(といってもその業界では知られた話の様子)的で興味深かったし,シュレーディンガーが提示した疑問が,わたしも以前から思っている,動物はミクロ的に見ると密度の濃いところから薄いところに物質が広がる様なランボウに言えばエントロピーが増えそうな反応があちこちで起きてるのに,全体をマクロ的に見るとエントリピーはむしろ減っている(秩序だっている)のはなぜだろう?という疑問と結構似たようなことなのだなぁと,感慨深かったです。その回答もまぁわかったようなわからないような話でもあります。この本には書かれてませんけど,人間の知能も細胞の働きだから,同じ理屈のような気もするんですけどね。
余談ですが,DNAの操作が数うちゃあたる方式だと知ってちょっと驚いたというか,笑った。まぁそんなものかもしれないなぁ。

というわけで,こんな話受けるのかね?と思いつつ楽しく読めました。ただタイトルから想像する内容とは少し違っていたかな?。あとどこかのブログで疑似科学的と書かれたものを読みましたが,わたしにはどこがそうなんだろう?とむしろ思うくらい,むしろ堅実な内容な気もしましたけど,他の人にはそう感じないのかしら?
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