光山鉄道管理局・アーカイブス

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「鉄道模型車両の作り方」

2016-10-29 05:43:21 | 書籍
 昭和50年代初め頃はある意味鉄道模型入門書の当たり年みたいでして、カラーブックスの「鉄道模型」廣斎堂出版の「鉄道模型入門」等が印象に残ります。
 中でもNHKブックスの「ホビーテクニック」シリーズは最初の「鉄道模型レイアウト」から短期間に2,3冊リリースされる充実ぶりを示しました。
 (あれだけ鉄道本をいっぱい出しているカラーブックスでさえ鉄道模型本は一冊しかない)

 その中の一冊を先日新装開店した某まんだらけで格安で見つけたのも何かの縁でしょう。


 「鉄道模型車両の作り方」(菅原道雄著 日本放送出版協会)

 他の2冊がNゲージやレイアウトに特化した内容だったのに対してこちらは16番の車両工作をメインに据えているのが特徴です。
 と言うか当時は唯一だったのではないでしょうか。

 とはいえ、ドライバーで組み立てられる塗装済みキットの製作から始まり、ペーパー車体、プラキット工作と進む構成はかなりビギナーを意識した内容となっています。
 あの頃、16番のプラキットとは中村精密の客車シリーズくらいしかありませんでしたからある意味時代の最先端かも。

 (上掲書P64より引用)
 その過程で走行にかかわる動力装置の組み立てや調整にページを割いている所に本書の良心を感じました。

 あの頃は完成品でも走らなかったり調整を要する様なモデルが結構ありましたから(親類の持っていたモデルからの印象ですが)
 私の手持ちで未だ死蔵中の「何故か走らない111系」の調整の役に立つかもしれません。
 実は本書を買ったのにはそういう下心もあるのですが(笑)
 それ以外でも16番模型の動力系の基礎を要領よく纏めた印象でキットメイクや自作の際に役立つ内容と言えます。

 その一方で割を食ったのが巻末のごく少ないページに押し込められた「ハンダ付け」の項目。
 一番要領と工具と金が掛かる工作なのでもう少しページが欲しかったのも確かです。

 「ハンド付けは絶対にやめよう」と言う項では「手で押さえるのではなくきちんと治具を使おう」と言う事なのですが、部品の取り付けの度に一々治具を作らされる事実(笑)
 これでハンダ付けに恐れをなしたユーザーは多かったのではないかと。

(上掲書P106より引用)
 余談ですが、本書のイラストは見るからに70年代テイスト満載で個人的にはヘンに感じる一方で妙な懐かしさもあったりします。

 本書に限らずこの当時のホビー系の入門書にはこの種の独特の絵柄の挿絵が付いているのが常でしたが、最近のは絵柄はより洗練されてきているものの印象の点で影の薄い物が多く「挿絵と言えどもイラストで覚えてもらう」と言う入門書本来の用途からすれば残念な気もします。
光山鉄道管理局


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