光山鉄道管理局・アーカイブス

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鉄道ミステリとNゲージ・その40「急行しろやま」

2024-05-30 05:16:02 | 書籍
 今回は久しぶりに鉄道ミステリと鉄道模型ネタから

 今回は徳間書店刊「犯罪交差点」所収の中町信作「急行しろやま」をば

 ある日、岡山県内を疾走する西鹿児島発大阪行きの急行「しろやま」から一人の男が転落死しているのが発見された。
男は広島から乗車した東京の教科書出版社の部長だったが、死体の頸部に絞められた跡があった事から殺人事件と断定され地元警察の樋渡、警視庁の津村の両刑事が捜査を始める。

 やがて捜査線上に被害者の部下の係長が浮かび上がるが、彼には犯行の前後には府中市の中学校にセールスに出かけていたというアリバイがあった―


 というのが大まかなストーリーです。
 作者が教科書の出版社に勤務していた経験があったとの事で出版社の内幕描写にはかなり力が入っており、当初は被害者の殺害動機も会社の労働争議に絡む軋轢が想定されていたりします(これ以上書くとネタバレになりそうですが)

 トリックの中心は例によって時刻表利用のアリバイですが、トリックの中心となる核は鉄道とは別な部分にあるので今でもそれなりに通用はしそうです(今ならアリバイよりも話題作りの豆知識のレベルだと思いますが)

 さて、本作に登場する「しろやま号」ですが、大阪~西鹿児島間を行き来していた寝台急行との事です。
 運行期間が昭和38年~47年のごく短い期間でしたが10系の寝台車とスハ43系旧客の組み合わせでスタートし、後期になるほど10系の比率が上がってゆく編成になっている様です(最終期には旧客は13両編成の1両だけになる)

 本作が書かれた当時(昭和44年)の牽引機はEF58、EF30、ED72、DD51がリレーしていた模様ですが、わたし的には「ED72」に特に惹かれるものがあります。
 いわゆる「鳩胸」と呼ばれる逆スラントノーズの前面はスタイリッシュに感じる上にわたしの故郷や現住地では見かけないデザインですから、これが10系客車を牽いている様を想像するだけでワクワクする訳でして。

 生憎フル編成のしろやまが組めるほど10系を持っていないので適当にショーティ化した編成しかできませんが、EF30やED72の牽く客車急行をレイアウトで走らせるのも愉しかったりします(最後の方はミステリそっちのけのはなしになってしまいました笑)


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