先日中野の古本屋で入手した昔のTMS。
実は昨年来新装開店したショップとか地方のショップなんかで昭和20年代のTMSが割合安価に入手(ここで言う「安価」とはワタシ基準で「現在出ている新刊雑誌と同程度の価格」というのをひとつの目安にしています)されているので余裕がある時は買う様にしているのですが、今回のは割と拾い物だったと思います。
通巻20号の昭和25年5月号です。
これまで私が入手したTMSの中では最も古い一冊。これが現在のTMSの定価よりも安価に入手できたのはとても有難いです。
時期が時期なのでレイアウトの記事は絶無。
ほぼすべてが車両工作の記事に費やされています。
目次を繰るとトップに来るのが0番の「国鐵ED22の作り方」
続いて当時のモデラー5人による座談会(!)「私はこう作る」
次いで目を引くのは「私鐵豪華車両とその製作」という小特集(とは言っても4ページ+巻頭の折り込み)
更によく見ると「8ミリゲージ流線型ディーゼル列車(!!!)」の製作記事まであります。
出版時期の事情もあって仙花紙みたいな紙質、総ページ数も30ページ前後
しかもそのうち裏表紙を含む3ページ以上が広告に使われていますからボリュームとしてはパンフレット並みの厚さに過ぎません。
それなのにこれを通して読むと、中身が実に濃い!
件の座談会などは1950年代はじめのモデラーの製作のポリシーの紹介に始まって苦労話や業界への要望などもあるのですがその主題が「制作にあたって図面を書くか?」「ゲージとサイズの違いによる製作テクニックの違いは何か?」「良く使う真鍮板の厚さは」なんてのまであります。
今とは違って模型工作の定石が確立していない時代、様々なゲージやサイズが混在して存在していた時代の座談会だけに内容が具体的ですし、「模型一つ作るのに全てが試行錯誤で進められていた」時代ゆえの熱気が感じられます。
8ミリゲージの製作記事もそうした勢いと情熱を感じさせるものです。
因みにこの当時は16番ですらまだ勃興期でしたし、8ミリの他に9,5ミリゲージで試作していたモデラーも居たようです。
1950年代初めに8ミリゲージのモデルが発表されたというだけでも大事なのによく読み進めると「実際に製作に掛かったのは昭和16年(!!)」
しかも交流3線式です。ずっと後に出たNゲージですら交流3線式の製品化はなかった筈ですし
時代が時代なだけに模型屋さんに潤沢にパーツ在庫がある筈もなく「モーターをはじめほぼすべてが自作」
毎晩(と週末)に製作時間を集中させながらも製作期間4か月、うち1か月はモーターの製作に当てていたようです。
「作りたい」と言うだけの動機でこれが進められた事を思うとこれこそがモデラーの性であり趣味の醍醐味と言うか矜持のようなものを感じさせます。
これらに代表されるようにこの頃のTMSは「作る楽しみ、作れる嬉しさ」に満ち溢れています。
レイアウトの記事もないですし、ページ数の関係で個々の記事も最低限のページ数しかないにもかかわらず限られた文字数の中に可能な限り情報を詰め込むことで、製作者の技量だけでなくどこに苦労したか、作者のポリシーはどのあたりにあるのかと言った事まで伝わってくるからすごい話です。
おかげでこれだけ薄い本なのにも拘らず夜ごと読みふける度に元気な気持ちになってくるから不思議です。
因みにこの号ではもう一つ触発される特集があったのですがそれについてはいずれまた。
実は昨年来新装開店したショップとか地方のショップなんかで昭和20年代のTMSが割合安価に入手(ここで言う「安価」とはワタシ基準で「現在出ている新刊雑誌と同程度の価格」というのをひとつの目安にしています)されているので余裕がある時は買う様にしているのですが、今回のは割と拾い物だったと思います。
通巻20号の昭和25年5月号です。
これまで私が入手したTMSの中では最も古い一冊。これが現在のTMSの定価よりも安価に入手できたのはとても有難いです。
時期が時期なのでレイアウトの記事は絶無。
ほぼすべてが車両工作の記事に費やされています。
目次を繰るとトップに来るのが0番の「国鐵ED22の作り方」
続いて当時のモデラー5人による座談会(!)「私はこう作る」
次いで目を引くのは「私鐵豪華車両とその製作」という小特集(とは言っても4ページ+巻頭の折り込み)
更によく見ると「8ミリゲージ流線型ディーゼル列車(!!!)」の製作記事まであります。
出版時期の事情もあって仙花紙みたいな紙質、総ページ数も30ページ前後
しかもそのうち裏表紙を含む3ページ以上が広告に使われていますからボリュームとしてはパンフレット並みの厚さに過ぎません。
それなのにこれを通して読むと、中身が実に濃い!
件の座談会などは1950年代はじめのモデラーの製作のポリシーの紹介に始まって苦労話や業界への要望などもあるのですがその主題が「制作にあたって図面を書くか?」「ゲージとサイズの違いによる製作テクニックの違いは何か?」「良く使う真鍮板の厚さは」なんてのまであります。
今とは違って模型工作の定石が確立していない時代、様々なゲージやサイズが混在して存在していた時代の座談会だけに内容が具体的ですし、「模型一つ作るのに全てが試行錯誤で進められていた」時代ゆえの熱気が感じられます。
8ミリゲージの製作記事もそうした勢いと情熱を感じさせるものです。
因みにこの当時は16番ですらまだ勃興期でしたし、8ミリの他に9,5ミリゲージで試作していたモデラーも居たようです。
1950年代初めに8ミリゲージのモデルが発表されたというだけでも大事なのによく読み進めると「実際に製作に掛かったのは昭和16年(!!)」
しかも交流3線式です。ずっと後に出たNゲージですら交流3線式の製品化はなかった筈ですし
時代が時代なだけに模型屋さんに潤沢にパーツ在庫がある筈もなく「モーターをはじめほぼすべてが自作」
毎晩(と週末)に製作時間を集中させながらも製作期間4か月、うち1か月はモーターの製作に当てていたようです。
「作りたい」と言うだけの動機でこれが進められた事を思うとこれこそがモデラーの性であり趣味の醍醐味と言うか矜持のようなものを感じさせます。
これらに代表されるようにこの頃のTMSは「作る楽しみ、作れる嬉しさ」に満ち溢れています。
レイアウトの記事もないですし、ページ数の関係で個々の記事も最低限のページ数しかないにもかかわらず限られた文字数の中に可能な限り情報を詰め込むことで、製作者の技量だけでなくどこに苦労したか、作者のポリシーはどのあたりにあるのかと言った事まで伝わってくるからすごい話です。
おかげでこれだけ薄い本なのにも拘らず夜ごと読みふける度に元気な気持ちになってくるから不思議です。
因みにこの号ではもう一つ触発される特集があったのですがそれについてはいずれまた。