2009年最初のアニメ感想文その9

2009-05-07 16:52:19 | アニメ・コミック・ゲーム

 ゴールデンウィークも終わってしまった今、アニメ人気はすっかり「けいおん!」一色、作中で澪が使っているD902iのホワイトが売り切れや品薄になったり、澪と唯が使っているギターが楽器店で猛烈にプッシュされまくったりしています。でも携帯ならまだしも楽器なんぞを買ってしまったらアニメ放映中はいいけどアニメ終わったらどうするんだろ…?楽器は安い買い物じゃないけど、オタク文化に不景気は関係なさそうです。

 結局ゴールデンウィーク何をしていたかと思えば半分近くはFF11かアニメ視聴かオラタンの対戦しかしてなかった気もします。しかし毎日の犬の散歩とジョギングは欠かさなかった辺り健康的なのか不健康なのか分かりません。そしてアニメといえば2009年春にローカル局で放映されていて最終回を迎えたアニメ作品の感想文がまだ残っていて、今回は「WHITE ALBUM」「鉄腕バーディー DECODE:02」「ドルアーガの塔 the Sword of URUK」そして「ヴァイパーズ・クリード」の最終回を視聴したのでそちらの感想を書いてみたいと思います。

Whitealbum2 Whitealbum3 「WHITE ALBUM」…Leafの18禁ゲーム「WHITE ALBUM」のアニメ化作品で、アニメ制作はセブン・アークスです。かつて「雫」、「痕」や「To Heart」などの歴史に残るゲームを生み出したLeaf大阪開発室最後の作品のアニメ化ということと、森川由綺役に平野綾、緒方理奈役に水樹奈々が出演するということで前評判はそこそこでしたが、原作が10年近く前の作品なためなぜ今さらアニメ化?という意見も多かったです。

 原作はアイドルが多くいた時代でなおかつバブル景気のまっただ中、さらに携帯電話も無いため最初だけそれが強調されるような描写が数多くありました。実際連絡が取れないことによる恋人同士のすれ違いをテーマにしているので携帯電話があると話がおかしくなるため仕方なかったですが…。そして作画はそこそこがんばっていたと思いますが後半になるにつれて崩壊とは言いませんが一枚絵で台詞だけ流すシーンがどんどん増えていき、なんかつらいものがありました。オープニングが10年前の昼ドラマ調なのは作画が間に合ってなかったのか演出なのかは謎です。エンディングの絵が毎回微妙に変わっているのは好印象だと思いました。

 作画はともかく大問題なのはシナリオで、主人公冬弥の浮気っぷりとヘタレぶりが全開となっていて、恋人の由綺を置き去りに色々なヒロインのところに行ったり色々問題を起こしてたりして、それでもモテまくっていたりして第2の誠と化していました。原作には無かった設定やシナリオも多く、美咲先輩の演劇関連の話は意味不明な台詞の言い回しと全部ぶち壊しの結末が痛々しくて視聴に耐え難い内容でした。最終話でヒロイン達のライブも一曲しか歌ないのにどうやってライブやったのか分からず…つか一曲歌ってそのまま終わり?

 この作品、原作ではシナリオはアレでしたが音楽は非常に素晴らしく、音楽に定評のある作品と比べてもひけを取らないと思います。そしてサントラは今でも大事に保管しているほどの一品なのでシナリオはともかく音楽は期待していました。そしてアニメではその音楽がどのように使われるかと思っていたら、なんとびっくりアニメでは原作の音楽を全く使わず、オリジナルのなんか微妙な音楽が淡々と流れていました。オープニングの水樹奈々の歌とエンディングのSuaraの歌は相変わらず良曲でしたが作中の音楽が空気すぎて原作の音楽がほとんど生かされてないのが実に残念。

 総合的に感想を書くと原作の悪いところを最大限に発揮しつつ、良いところは最小に押さえてありました。でもきっと原作ファンなら楽しめる…と言いたいですがこれは絶対楽しめません。もう冬弥君にはnice boatをやってもらうしか生き残る道は無さそうです。

Bardie2 Bardie3 「鉄腕バーディー DECODE:02」…週刊ビッグコミックスピリッツで連載されている、ゆうきまさみの漫画「鉄腕バーディー」のアニメ化第2期作品で、アニメ制作はA-1Picturesです。なぜ今頃になって鉄腕バーディーのアニメ化…?と第1期の放映当時言われていましたが、予想外に出来が良くて今期の2期もなかなか期待されていました。

 今回の2期は第1期の続きとなっていましたが、この鉄腕バーディーのアニメ化に至っては原作者のゆうきまさみから、原作に沿ってアニメを作るとまだ連載中なのに最終話を作らねばならず原作が破綻してしまうとの理由で、設定だけそのままにストーリーはオリジナルとなっていました。たしかにオリジナル展開なおかげか、原作を知らなくても結構面白かったし第1話の複線を最後に回収していて良くできていたので結果的にその判断は正しかったと思います。作画は細かいところはあんまり作り込んでいるとは言えませんでしたがアクションシーンはよく動いていたので良かったです。しかし最終話すごいバトルだったけど暗くて良くみえん。

Dolaga2 Dolaga3 「ドルアーガの塔 the Sword of URUK」…バンダイナムコゲームズのゲーム「ドルアーガの塔」のアニメ化第2期作品で、アニメ制作はGONZOです。バンダイナムコゲームズが監修を行いつつかなりオリジナル展開の話となっていて、第1期が思いの外良作でイイGONZO作品でした。そして今回の第2期は1期の続きとなっていました。

 第1期ですっかり引きこもりになってしまったジルが再びドルアーガの塔に登るところから始まりブルークリスタルロッドを巡って最後までバトルが繰り広げられてましたが、戦闘シーンは結構がんばっていたと思います。最後の決戦でもさりげなく第1期ラストで使われた装備を使っていたあたり心憎いと思いました。そしてキャラはほとんどに至ってオリジナルキャラなので下手に原作通りに作るよりはこのくらい思い切ってくれたほうがかえって心地良かったです。しかしエロ漫画でしか見たことの無かった「ひぎぃ!」をまさかアニメで見ることがあるとは完全に予想外で、これを狙ってやってくるあたりまさにGONZO。総合的に見てみると特に飛び抜けたところは無かったけれど全体的にバランスの取れていた良作だったと思います。しかし最後のアレは頭打って死んだんだろうか…。

Viperscreed Viperscreed1 「ヴァイパーズ・クリード」…かつて「APPLESEED」「EX MACHINA-エクスマキナ-」等のCG作品を手がけた荒牧伸志の最新作で、アニメ制作はデジタルフロンティアとAICスピリッツです。放送局がBS11とアニマックスだけだったため知名度があまりにも低く自分も放映されていたことさえ忘れかけていました。

 予告映像だけを見る限りなんか戦争ものみたいなイメージだけはあったので漠然と見ていたら、意外や意外これは…予想外に面白かったです。戦闘シーンが装甲車同士の戦闘かと思いきや、無人兵器対ロボットになったり、バイク型可変機動兵器「マニューバ・ブレード」の造型と動きがかなり良かったし、武器も実弾兵器ばかりでリアルで格好良かったです。キャラも渋いおっさんから幼女まで幅広く存在していてそれぞれが重要な役割持っていたのでバランスが取れていたし、主題歌も英語の歌で作品に良く合っていました。知名度こそ低かったですがこの作品は結構良作だと思います。しかし1クールで終わってしまったのが実に惜しい。