水上勉の小説「越前竹人形」、悲恋の主人公も、この美しい素朴な人形の表情に魅せられたと言われている。作者の尾崎君も、人形と同じように素朴で几帳面な職人さんだ。
仕事ぶりや接客を見ていると、実に真面目である。道具は置く位置まで細かく決められており、長年使っているであろう鋏も汚れ一つ無く、ピカピカに手入れされ、彼の人柄を表している。
こんな真面目な職人を、横からチャカすのが、長崎鼈甲の岳野君だ。
「真面目そうに見せているだけで、本当はスケベなんだよな!」
「頭が大きくて、見た目はバラモン凧に似てるでしょ!」と岳野君に掛かったら形無しである。
見ていると面白いもので、作品と作者と云うものは似ているのである。少しエラの張った意思の強そうな顔、大きな頭と無表情な顔が竹人形とダブってくるのである。
今回は、彼とお向かいで一日中向き合っている。私にとっては、真面目で実直な職人と写っている。
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