高江雅人  竹工芸職人の独り言  竹工房オンセ

高江雅人  竹工芸を初めて37年、徒然なる出来事をアップしています。

師匠

2009年05月26日 08時00分55秒 | 友人

大阪に来て、一番の楽しみは私のネットでの師匠であるイチローさんとお話ができることである。今回も、一年ぶりにお会いして的確なアドバイスを頂いた。

ご他聞に漏れず、イチローさんの所でも、アメリカの経済不況を受けて売り上げが落ち込んでいるそうだ。しかし、その事を良い機会に捕え、さまざまな経営改革に挑んでいる。

私も現在抱えている問題点などを相談すると、ネットオンチな私にも判り易く説明してくれる。「ヤフーや楽天などの大きなモールに入ることの良否?」「目先のSEO対策?」「アドワーズなどの費用対効果は?」などなど……を聞いていくのだが、それぞれに判り易く答えてくれた後、一番大切なのは経営理念であり、生き方や人柄が伝わるようなページ作りしか無いのではないか!と。

先日、ショックなことがあった。あるギャラリーで春夏の企画として、竹・籐・いぐさなどの展示会があったのだが、「T」社の製品に完敗したのである。「T」社は以前から、海外で作らせた物に銘を彫り、国産物と偽って販売している。確かにデザインや色使いや、売り方には巧みな物があり感心させられるが、一番大切な「お客様をだまさない!正直に!」という意識は皆目無い。そんな所の業者に負けてしまった事はショックであった。

「本格的な竹のバッグに拘っているあまりに、新しいデザインや色使いなどに目新しさが無くなってしまっているのかも知れない?」などと話していると、イチローさんが、「その業者はいつか潰れます!」と一言、「どの業界にも、大なり小なり偽装問題はあるのだろうと思います。しかし、もう直ぐ、そんな事をしていては通用しない時が必ず来ます!」

私の息子もだんだん大きくなってきた。もし、息子が「竹細工をしたい」と言った時、親として、人として、目先の商売を教えるのでなく、胸を張って、生きていける物つくりであったり、生き方を教えて行かなくてはならないと。

イチローさんも自分の経営の中で「だれからも後ろ指さされることの無い様に!」をモットーに遣って来られた。そんな、イチローさんの応援の言葉は本当に胸に浸み渡るものであった。

竹工房オンセ

コメント (2)
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