ミャンマーチーク屋さんのわが道を行く

日々の出来事と旅と愚痴と文句を勝手に語る日記。

誘導

2015-08-24 20:54:14 | 時事(国内)
およそ50年前に誕生したブルートレインが全廃に…。

まだ、日本から寝台車自体が全廃したわけではないけれど、あのブルーの
客車を見ることはなくなった。鉄道ファンの落胆は大きいに違いないが、
そんなことはお構いなしに効率化を進めるJRにとっては、これでやっかい
払いが済んで、しかも多少なりとも新幹線への誘導が進めば万々歳だろう。

思えばJRになってからの効率化の第一歩は、駅のホームの端っこにあった
噴水型の水飲み場の撤去からだったように思う。あれはキオスクや自販機
への暗黙の誘導だった。

利益にならないことはやらない。

18切符で乗れる普通列車も、超距離を走る列車の本数は年々、少なくなる
傾向にあるし、短距離列車どうしの乗り継ぎ接続も徐々に悪くなっている。
安くて早いという国鉄時代の名残である急行列車はすでに無くなり、新幹線
が走らない区間だけ特急列車を走らせ、あとは「皆、新幹線に乗ってくださ
い…」と、言わんばかりのこの戦略は、用意周到な新幹線への誘導作戦であ
る。

今や、新幹線の食堂車も無くなった。近年は在来線の長距離列車の車内販
売すら廃止される傾向にあるらしい。
スピード化もそうだろうし、コンビニなどの重要が増え、様々なものを持ち
込んで…という時代における消費の変化などもあるとは思う。

けれど無駄なものを一切省いてしまうと、味気なさばかりが目につくように
もなる。

もちろん民間企業にとっては、効率化は当たり前のことだとは思うけれど、
鉄道会社は人々の公共輸送を担っているわけだし、国鉄時代の資産を引き継
いで運営していることからも、一般の企業とは、随分、異なるはずだ。

もはや、鉄道旅行に旅情など無きに等しい。

けれど、JRの各会社は、そういう要望は「超豪華列車で…」という、ここでも
ちゃんと高利益需要への誘導が用意されている。

金持ちの「じじババ」ばかりのこんな列車に乗りたいとはまったく思わないけ
れど、需要は凄いらしい。

今となっては、子供のころ、田舎に行く時、冷凍ミカンにプラスチック容器の
お茶と駅弁を買って列車に乗り込んだあの時代が本当に懐かしい感じる。

昭和だったな…。

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