ミャンマーチーク屋さんのわが道を行く

日々の出来事と旅と愚痴と文句を勝手に語る日記。

いいかげん…

2009-10-02 16:38:17 | 旅行(海外)
「これでもだんだん、まともな国になりつつあるんですよ…、
それでも日本と比べると、まだまだ100倍いいかげんですけど…」

タイ、チェンマイ在住9年目の知人が、時々口にする言葉である。

彼とは仕事上の付き合いなのだが、たまたま私の旅友がチェンマイ
で合気道を教えており、彼もまたその彼を知っており、「世の中案外
狭いとね…」ということで、それ以後、私が来タイするたびに飲みに
行くようになっている。

今回もまた会社に顔を出すと、ちょうど外でタバコを吸っていた。
よれよれのシャツにダボダボズボン、そしてサンダル姿が定番だ。
どこから見てもバックパッカーである。それもそのはず、彼もかつて
は旅人で日本にたどり着く前に、タイのチェンマイで日本人経営の
衣料品会社に現地採用として就職してしまったのだ。
それも今では一人で任され、社長は年に数回来るだけだそうである。

彼との酒は相当長い。夕方6時には待ち合わせて、そのまま夜中
の0時まで延々と続くのだ。彼は酒豪だが、かなり静かな酒である。
元々大人しい人なのだが、酒が入ってもかなり無口なのだ。
最初の頃は気を使ってあれこれしゃべっていたのだが、やがて疲れ
果て時に彼がひとこと、「僕は無言のままで耐えられる人とじゃな
いと飲みにいかないんですよ…」とポツリ。
私より3つ下だが、案外大人びたことを言うのであった。

彼とは仕事の話は2割ほど、あとは旅の話しばかりだ。
彼と飲んでいると、昔旅先で出会った人と飲んでいる時を思い
出すのである。それはなんとも懐かしく心地良いのであった。

そしてそう思っていた矢先、彼が「三田さんといると、旅行先で飲ん
でいるみたいな気がするんですよね…」とひとこと。

やはり旅人には何か通じ合うものがあるのだ。外こもりとか現実
逃避の感覚を共有できるのである。彼もまた旅に出たいと言う。
いくら外国に住んでいても、彼にとってチェンマイは現実の世界で、
とにかく、タイから出ないと旅行気分にはならないそうである。

「それでも、ここは日本よりは楽ですよ。何せみんな、いいかげん
ですから…」

そんな彼のことを、どこかでうらやましいと思っている自分がいた。





















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