はぐれ遍路のひとりごと

観ながら歩く年寄りのグダグダ紀行

遠江33ヶ所1-5

2010-05-10 17:32:29 | 寺社遍路
    5番北谷寺へ(箱物行政)

 4番正法寺から5番には地図を見ると、山越えの遍路道がありそうな気もするが、尋ねる人もいないので県道403号線のICまで戻る。IC入口には歩行者や自転車の標識もあったので県道に入ってみると、片側2車線の立派な道路が出現した。歩道も太く、道路は立派だが交通量の少ない道は歩きやすかった。

          

しかし何故片側2車線の道がこんな場所にあるのか? ここを歩けば誰もが感じる疑問だろう。
静岡県には東西に日本を代表する国道1号線が走っているが、その多くは片側1車線に過ぎない。そのため通勤時間帯には毎日渋滞を引き起こしている。なのにここにはこんなに立派な道路がある。
以前この道を歩いたとき調べてみたら、この道は2002FIFAワールドカップ開催で試合を誘致するため静岡県は5万人を収容できるエコパスタジアムを建設した。そのスタジアムと東名掛川IC及び国道1号線を結ぶ為にこの県道403号を作ったのだ。
たった一度の大会の渋滞を避けるために、この様な道路を作る余裕があるのなら、何故毎日の生活に直結する生活道の渋滞緩和を考えないのか。私には理解できない。

 掛川ゲートと書かれた入口からエコパ競技場に入る。広大な競技場の中にはグラウンドが何面もあり道の脇には桜や紫陽花などが植栽してある。花の時季は綺麗だろうが、それ以外の時季の管理は難しいだろう。現に今も木の下は雑草が生茂っている。
この様な施設は作るのは容易だが、それを維持管理していくのが大変なことは誰でもわかることなのだが、一時の熱病に罹ると後先が見えなくなってしまうようだ。

          

いい事を思いついた。ワールドカップ誘致のとき署名を集めていたが、そのとき署名をした人は毎年草取りのボランティアに参加して貰うのはどうだろうか。特にそのとき先頭に立った政治家、特に当時の県知事を筆頭に県会議員は連日張り切ってもらおう。そうして少しでもエコパの赤字を縮小してもらいたい。

 巨大なスタジアムが目の前に現れた。中から音楽が聞こえてくる。途中の垂れ幕にジュビロ磐田の試合が明日行われると書いてあったが、その準備をしているのだろ。
明日の遍路だったら、この道は歩く事が出来ただろうか? 今日で良かった。

 前回歩いた時は丘の上の駐車場からエコパスタジアムに直接降りた気がするが、しかしその駐車場の案内が見当たらない。おぼろげなる記憶を探り、兎も角スタジアムに一番近い階段を登ってみた。
フー正解だった。駐車場が現れてその先に車道がある。あの道を右に行けば法多山尊永寺だ。

 次の目的地の北谷寺は法多山尊永寺の本堂の横にあるようだ。土産物屋の間にある参道を歩くのだが連休の最中というのに開いている店がない。結局山門までの間で営業していたのは土産物屋1軒だけだった。
以前と違い行楽の仕方が様変わりしてしまったので、ここが賑うのは初詣とか年数回の行事の時しかなくなってしまったのだろう。

 威風堂々とした山門を潜り、如何にも古刹の雰囲気を漂わせている参道を進む。駿河一国ではこの様な大きな札所はなかったが、遠江でもここが一番の大寺なのだろう。
昔はもっと大きく62坊もあって「遠州の高野山」とも呼ばれていたらしい。
寺の呼び名は通常ならお寺の名前を呼ぶのが普通だが、ここでは山号の「はったさん」の名前で親しまれている。「法」と書くのでほったさんと間違って言う人もいるがはったさんが正式名です。

          

 疲れた足には厳しい階段が続くが、階段は新しく冷厳な雰囲気は無い。やっと階段を登り詰めると正面に真新しい本堂が建っている。新しすぎて何か新興宗教の寺の感じがしないでもないが立派な事は立派だ。
北谷寺は本堂の左側にあり「遠江33観音第4番 北谷寺」の看板が掛かっていた。

           

 帰りは正面の階段ではなく大師堂脇の道を下るようになっていた。下って行くと法多山名物の団子を売っている「団子茶屋」の前に出た。門前の店は殆ど閉まったいたが、ここは開いていて客も何人かいる。帰り道にチャント団子屋の前を通るように出来ているなど中々商売上手だが、私もそれに乗って1箱買ってしまった。