今朝まで吹いていた強風も昼には止み、午後から快晴となりました。
先週は、連休の晴れ間の続いた反動なのか曇や雨の日が多かったのですが、宮本町M邸の建て方も無事終了し、この日曜日に上棟式を行うことができました。
「上棟」とはすなわち、屋根の「棟」が上がった日であると同時に「家の誕生日」でもあります。
この世に生を受ける日を祝う。
「工事の安全」を願うと同時に、この家が後世に渡って、ここに住む人を守ってほしい・・
そんな願いをこめる日でもあります。
色々な場所で育った木が組み合わさり、一つの場所に建つという事は、天文学的な確立でもあります。
木だって、まだ山や野原に立っていたい所を切り倒され、それまでの命を終わらせています。
そういった材料をムダにしたくないところでもある。
木材1本の「命」をつなぎ、一つの「家」を形造る。
「家」というパーソナリティ(個)みたいなものを考えると、住む人も家も土地も、お互いに求め合って一緒になる・・そんな感じさえ浮かんできます。
そして、人間も同じですが、「産みの苦しみ」があります。(楽しみでもありますが・・)
墨付け、加工に始まり、この上棟が終わるまで気が抜けない時期となります。
職人を使っての作業中は気が張っているのですが、家に帰ると、たちまち倒れこむように寝てしまう・・そんな日が続きます。
全力で家を建てる・・・命を懸けて家を建てる。
前に、ある設計士の人から、
「命を削っている」
と言われたことがあります。
当の本人は、丈夫な家を造る目的に向かって仕事をしているだけなのですが、
端から見ると、そう思われているのかも知れません。
とういえば、山形の剣持さんも、東郷小学校を建てるときに
「人間ではない形相をしていた」
と言われたそうです。
命をかけて、建物を造る・・
それは、その人にとって一大事業なのでしょう。
(お客さんにとってもそうなのですが・・)
私一人の寿命なんてあと何十年ももてばいいのでしょうが、家は100年でも200年でももつ・・そういった家になれば幸いだと思っております。
(そう書くと、またお客さんに命を粗末にするなと言われそうですが・・フツーの工法ならばラクなんだろうね~、でも険しい道を歩みたいところでもある。)
丈夫な家を建てる儀式でもあるのですが、この間、他の現場やお客さんへの対応が行き届かなくなってしまう時期でもあります。
お客さんには、大変ご迷惑をおかけしております。
菖蒲咲きほこる中の建て方の様子。
左は既存の建物で、右が新しい建物です。
まず、増築部分が完成してから、ここに引越しをして、
その後に既存部分を解体して玄関を作ります。
新しい部分の全景
本屋はほぼ出来ました。下屋が出来上がると、全体の形がわかると思います。
「美しい」建物になってます。
通し柱に差さる横架材の打ち出しホゾ
両側から突き出していますが、これを入れるのが至難の業でした。
(入ってしまうと、わかりませんが・・)
ホゾに鼻栓を打って固定しています
正面下から見た様子
出来上がると、大きな建物になっていた・・・
屋根の出を3尺にしているため、大屋根が大きくなってしまう。
ここに安田瓦を葺いていきますが、下の階の耐力壁を固めてからです。
夕日を背にした雄姿。
実に美しいものよ・・・
正面の和室部分は残して、最終的に玄関でつなげる感じになります。
写真ではよく分からないのですが、筋交いですか?
貫板ではないのでしょうか?
最終的には耐力壁の施工をします(面材:ダイライト、構造用合板等)
通し貫もやってみたいところですが、予算上ここまでが限界です。
もう1つ質問ですが、引っ越した後に玄関を作るというのはやっぱり税金対策なのでしょうか?
結果として、最後に玄関です。