「儲かる会社の社長の条件」 小山昇/岡本吏郎・著、アスコム・発行、2007年10月10日。
p.13 今の世の中は、「効率の良いことがベストだ」といった間違った思想に染まっています。効率を良くすれば儲かり、成功し、事業が軌道に乗ると思っている人が驚くほど多いのです。その考えを裏返せば、商売に失敗するのは効率が悪いからだということになりますが、果たしてそうでしょうか。
実際は、どこか本質的にいけないところがあるのに、経営者はそれに気づかず、効率面ばかりを見ているケースが多いのです。
効率が良いということに疑問を持つことはほとんどない。「この方法のほうが効率が良いですから」と言うと、そのほうが好ましいと自動的になってしまう。しかし、そこに落とし穴があったようだ。とくにサービス業はその典型だろう。
p.21 最近は上場すべきでない経営モデルの会社が、どんどん上場していますが、株式市場に馴染まないビジネスが上場するのは、おかしいのではないでしょうか。
そうした企業がIPOの利潤の追求だけを目的に上場され、投資家が犠牲になっています。元々、上場モデルではない企業の上場ですから、上場後に「上場したこと」そのものの矛盾が露呈してきます。
薬局なんて、まさにそうだろう。医療という公共性が求められる世界において、上場して市場から資金を得て、利益を稼いで株主に配当を出す、などというのは馴染まない。
しかし「薬局」を設けの手段としている人は疑問に思わないだろう。医薬分業が追い風の時代に、薬局の本質を見失って出店して利益が出ることに方向性や喜びを覚えてしまった人には、理解しにくいのではないか。
p.22 多くの会社の社長がダメなところは、まともな会社を見本にして勉強しなければいけないのに、脚色された良いところだけを見て勉強する。だから自分の会社に応用できないのです。
どこかで成功したモデルをそのまま移植すれば自分のところでも儲かると期待する考えはまさにそうだろう。それが育つ土壌や文化なくしては、定着しないのだろう。
p.24/26 つまり、店にとっての効率が悪い方が、お客さんの満足度が高くなるわけです。自分たちの効率ばかり考えるのではなく、お客さんの満足度を考える、その割合がポイントになる。
私の会社では、お客さんと接するところは効率を悪くして、その代わりお客さんから見えないバックヤードの効率を良くして、バランスをとっています。
p.47 新しいことに投資しようとすると、「それをやめてくれれば、もっと利益がでるのに」と幹部は言いますが、経常利益を何パーセント出すかは、私にとっては意味がないのです。私は、「今日利益が出ていること」よりも、「五年後も存在し続けること」のほうがずっと重要だと思っています。そのために投資しているわけです。
既に自転車操業的になっているとこのような考えに、身体も、やがて頭もついていかないかもしれない。
p.60 計画より利益が出て、設備投資に回すか、社員教育にかけるかになったら、私は迷わず社員教育のほうを選びます。
社員教育にお金をかけない人がよく口にするのは、「そんなにお金をかけて教育して、社員に辞められたら丸損じゃないか」です。
p.79 未知の分野に打ってでるだけの体力は中小企業にはありません。すると、「既存の事業をベースにして新しいことにチャレンジsyry」という方法論しか残っていないことになります。
p.90-91 「変わらないもの」といえば、「税金のかからない資産を増やしましょう」というものがあります。
一定の経常利益が出たら、それを原資に「目に見えない資産」を増やします。具体的には、お客様を増やす、人を育てる、そういう方向にどんどんお金を使うべきでしょう。
まさに教育で得たスタッフの知的資産は、何事にも代え難い、いざ求めても一朝一夕には得られない、他がそう簡単に真似のできない、かけがえのない資産である。そのうえ非課税だ。
p.190 みんな本質的に勉強が嫌いではない。単に気が進まないからやりたくないだけです。悪いことは教えなくてもやるから、良いことを強制するのが、社長の仕事でありリーダーの仕事です。
中小企業の経営では、質を求めてはいけません。量を求めて質を追うのがコツです。
「強制」という言葉にひっかかるものはあるが、そういう方向に導く、とでも解釈しておこう。
質を求めるコツが、量をこなすことによって質を高めるノウハウがわかっていくのだろう。
p.13 今の世の中は、「効率の良いことがベストだ」といった間違った思想に染まっています。効率を良くすれば儲かり、成功し、事業が軌道に乗ると思っている人が驚くほど多いのです。その考えを裏返せば、商売に失敗するのは効率が悪いからだということになりますが、果たしてそうでしょうか。
実際は、どこか本質的にいけないところがあるのに、経営者はそれに気づかず、効率面ばかりを見ているケースが多いのです。
効率が良いということに疑問を持つことはほとんどない。「この方法のほうが効率が良いですから」と言うと、そのほうが好ましいと自動的になってしまう。しかし、そこに落とし穴があったようだ。とくにサービス業はその典型だろう。
p.21 最近は上場すべきでない経営モデルの会社が、どんどん上場していますが、株式市場に馴染まないビジネスが上場するのは、おかしいのではないでしょうか。
そうした企業がIPOの利潤の追求だけを目的に上場され、投資家が犠牲になっています。元々、上場モデルではない企業の上場ですから、上場後に「上場したこと」そのものの矛盾が露呈してきます。
薬局なんて、まさにそうだろう。医療という公共性が求められる世界において、上場して市場から資金を得て、利益を稼いで株主に配当を出す、などというのは馴染まない。
しかし「薬局」を設けの手段としている人は疑問に思わないだろう。医薬分業が追い風の時代に、薬局の本質を見失って出店して利益が出ることに方向性や喜びを覚えてしまった人には、理解しにくいのではないか。
p.22 多くの会社の社長がダメなところは、まともな会社を見本にして勉強しなければいけないのに、脚色された良いところだけを見て勉強する。だから自分の会社に応用できないのです。
どこかで成功したモデルをそのまま移植すれば自分のところでも儲かると期待する考えはまさにそうだろう。それが育つ土壌や文化なくしては、定着しないのだろう。
p.24/26 つまり、店にとっての効率が悪い方が、お客さんの満足度が高くなるわけです。自分たちの効率ばかり考えるのではなく、お客さんの満足度を考える、その割合がポイントになる。
私の会社では、お客さんと接するところは効率を悪くして、その代わりお客さんから見えないバックヤードの効率を良くして、バランスをとっています。
p.47 新しいことに投資しようとすると、「それをやめてくれれば、もっと利益がでるのに」と幹部は言いますが、経常利益を何パーセント出すかは、私にとっては意味がないのです。私は、「今日利益が出ていること」よりも、「五年後も存在し続けること」のほうがずっと重要だと思っています。そのために投資しているわけです。
既に自転車操業的になっているとこのような考えに、身体も、やがて頭もついていかないかもしれない。
p.60 計画より利益が出て、設備投資に回すか、社員教育にかけるかになったら、私は迷わず社員教育のほうを選びます。
社員教育にお金をかけない人がよく口にするのは、「そんなにお金をかけて教育して、社員に辞められたら丸損じゃないか」です。
p.79 未知の分野に打ってでるだけの体力は中小企業にはありません。すると、「既存の事業をベースにして新しいことにチャレンジsyry」という方法論しか残っていないことになります。
p.90-91 「変わらないもの」といえば、「税金のかからない資産を増やしましょう」というものがあります。
一定の経常利益が出たら、それを原資に「目に見えない資産」を増やします。具体的には、お客様を増やす、人を育てる、そういう方向にどんどんお金を使うべきでしょう。
まさに教育で得たスタッフの知的資産は、何事にも代え難い、いざ求めても一朝一夕には得られない、他がそう簡単に真似のできない、かけがえのない資産である。そのうえ非課税だ。
p.190 みんな本質的に勉強が嫌いではない。単に気が進まないからやりたくないだけです。悪いことは教えなくてもやるから、良いことを強制するのが、社長の仕事でありリーダーの仕事です。
中小企業の経営では、質を求めてはいけません。量を求めて質を追うのがコツです。
「強制」という言葉にひっかかるものはあるが、そういう方向に導く、とでも解釈しておこう。
質を求めるコツが、量をこなすことによって質を高めるノウハウがわかっていくのだろう。
「社長の条件」読みました。
過激な発言もあるので、刺激的でした。
個性的な2人の対談本で、楽しく読むことが
できました。
TBさせていただきます。