何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

自分が情けない

2010-03-10 23:15:29 | 薬局経営
 今年は調剤報酬改定、およそ発表されているので、今後はその解説や細部を把握していくことになる。毎回、疑義解釈(Q&A)も1~2回は出されるので、それを逃さないことだろう。

 さてそんな調剤報酬改定も、ジェネリックの数量ベース評価が大きく経営に関係してくる。またハイリスク薬についても無視できない。

 しかし、思うのだ。もう、点数がつくからそれを取りにいくような取り組みはやめようと。評価項目には、それぞれに意味がある。その意味を果たすことに取り組もうと思う。それが出来ただけ、点数を算定しようと思うのだ。

 処方せんベースでは、結局80%以上の薬局が算定しているといっても、数量ベースではいくらも伸びていない。算定のためにジェネリックが処方中に最低1品目あればよいとしただけで、加算に込められた意味に応えていない。2012年には数量ベース30%にすると予告されており、処方せんベースで考えているのは仮の姿だとわかっているはずなのに、20%を超える薬局すら少ない(中には門前医療機関が変更不可という事情もあろうが)。

 今改定によって、改めて算定のための業務が目論まれるとしたら、いったい、医薬分業はどこに消えてしまったのだろうか。患者の生命や健康の安全を守る役割を担っているのに、建て前にし過ぎではないだろうか。
 一般の者では薬物療法における適正使用や安全確保の評価が出来ないから、専門職能を有する専門家(薬剤師)がいて、国民に成り変わって薬学的管理という任務を負っているはずだ。だから薬局で薬をもらうのと、そうでないもらい方をするのとでは違いがあってよく、それがより評価される必要があるのだろう。

 算定を主眼に新年度の収支を計算する薬局もあろう。調剤報酬改定はいかに患者とつながりを持って、積極的にかかわり、理解が得られるかにかかっている算定項目ばかりが重要なところに位置付けられているのが近年の特徴であり、それは薬局の本質的責務を投影したものといえる。
 それを果たし、向上させていくには教育や研修、また情報なくしてはできないものばかりである。経営が苦しいからと、それらの経費削減を考えたり、脇に追いやったりするのであれば患者には十分なことが提供できなくなるから、ますます縮小のスパイラルに入っていくだろう。

 公共性のある薬局において、その業務を営利事業だと位置づけているとしたら、それらの間接的な側面を削ろうとするかもしれないし、至るところで効率を求めるだろう。
 算定重視の取り組みを強化していて、どうやって患者の心をとらえることができようか。薬局内部から見ても、もちろん国民から見ても、その薬局は国民のことなど十分に考えていないことが伝わってしまう。隠そうにも取り組みに下心を見てしまうだろう。そんな薬局が内外から受け入れられるはずがない。

 教育や研修等を削減し、力も入れず、十分なことをやったような形をとる姿勢。それじゃ患者に対してあたかも責務を果たそうと見せかけているにすぎない「安全偽装」のようにすら思われる。表向きはまじめそうな顔をしておきながら、裏ではそろばんをはじく。患者が喜ぶ顔を見てうれしいのではなく、通帳の残高に興味があるようなものだ。医療提供施設である薬局が教育や研修、情報をなしがしろにしながら、あたかもやっているような態度をとるなんて! そんな経営を制止できないとしたら、不本意にも加担していることになるし、責任も免れないだろう。患者には申し訳ない限りだ。

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