何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

「愛される店長」がしている8つのルール

2012-10-18 21:44:08 | Book Reviews
「愛される店長」がしている8つのルール スタッフを活かし育てる女性店長の習慣 柴田昌孝・著、同文舘出版、2012年3月23日

p.2 スタッフの定着率を上げていくために、店や会社はさまざまな福利厚生を用意し、スタッフのやりがいを高めようとします。しかし、定着率を上げ、スタッフが働きたい店、スタッフが輝く店をつくる本当の秘訣は、福利厚生などの制度の充実ではありません。なによりも店長自身が「愛される」店長になればよいのです。

p.18 理想の店長とは、“人間力”のある店長なのです。

p.23 あなたが「愛される店長」になる目的は、あなたが輝き、「店長になりたい」というスタッフをつくることなのです。

p.26 店でのすべての判断が、お客様のためであること。店長の言動が、お客様のためであること。
 時代は違いますが、普遍的にこの「お客様第一主義」をふらさない凄腕店長たちは、「愛される店長」といえるのではないでしょうか。

p.28 部下に任せられない。だから育たない。
 そして、やらせてみて指導するようになりました。すると、パートさんの定着率が上がり、パートさんの成果が出始めました。そして、成果が上がって母親もパートさんを認め始めるという好循環ができたのです。

p.30-1 私の見てきた愛される店長のスタッフを見るときの特徴は「長所ありき」なのです。長所から探す店長は、人間関係が圧倒的にうまくいっています。長所から探す店長は、スタッフのいいところを伸ばそうという深層心理が働いていますから、注意や指導をしても、どこかに温かみがあり、スタッフも納得するものです。

p.42 まず、大切なのは人と人との信頼のベース(下地)をつくることだ。それがないのに怒っても反発あされるだけ。大切なのはまず互いにお互いを知り合うこと。そして、俺が起こる理由、俺の気持ちをしっかりと伝えて怒る。それがあれば怒ろうが、怒鳴ろうが、正しいことであれば、相手の心にすーっと相手スーッと入っていくもんだ。

p.43-4 正しいアドバイスをしているのに、相手にわかってもらえない。ましてや、「怒られた」としか思われていないなんて、これこそ店長という仕事が嫌になってしまうパターンです。その理由はやはり、相手との信頼というベースができていないからです。
 指導とコミュニケーションは、切っても切れないワンセットであることを忘れてはなりません。

p.53 「欠点はあなたにとって悪いところだから直しなさい!」ではなく、「欠点を直したあなたはもっと魅力が増すんだよ」ということを伝えましょう。もともと、「相手へ指導する」ことは、「相手をもっとよくしてあげたい」という意思を伝えるコミュニケーションなのです。

p.58 スタッフが「好きで選んだこの仕事」を、「向いている仕事」にしてあげることが、スタッフ育成の目的だと思います。入社してすぐのときは、スタッフにとって「好きな仕事」ですが、「向いている仕事」とはいえません。向いている仕事とは、結果を出せる仕事のことです。

p.65 今は、自分も相手も70点でいい! と思うようにしました。この考えで、何よりよかったのは、90点をとったら、褒められるようになったことです。以前は、90点だと100点に10点足りないと見ていたスタッフを、70点よりも20点も多いスタッフと見られるようになったからです。自分もすごく楽になって、仕事ももっと楽しくなりました。

p.67 スタッフがちゃんと仕事をしたときは何もいわずに、失敗したときだけ注意をする店長がよくいます。これもNGです。注意するのはいいことなのですが、きちんといい仕事をしたときに、OKのサインを出してあげることも忘れてはいけません。スタッフは、あなたの「見てるよ!」のサインがほしいのです。

p.68-9 Aさんは、結果をねぎらっただけなのです。しかし、褒めるということは、「行動の意識的な定着化」を目的とします。わかりやすくいうと、褒める効果はプロセスを定着させることも意味があり、そこに成長があります。
 結果に対しての要因を褒めてあげる。そして、その要因を再度、褒めることによって、定着化させてあげるのです。

p.79 私は、スタッフに聞いて決まることと、上に立つ者が決めないといけないことがあると思っています。商品の戦略の決定は、たくさんの人に聞けば聞くほど、幾通りもの意見が出てきます。つまり、聞けば聞くほどまとまらなくなるのです。

p.80 ワンマンな決定は、みんなの意見を聞いたうえで、まとまらない場合の最終兵器です。それは前向きな決定方法としてのワンマンな決断です。ここで、しっかりと自分を出し、意見をまとめるのが、愛される店長のワンマンです。

p.86 仕事での臨界期にしっかりとした理念や原理を教えてもらえた人、教えてもらえなかった人。その差は仕事に対しての考え方や取り組み姿勢において後々、雲泥の差がでます。臨界期に技術を教えられた人と、考え方から教えられた人は、まったく違う「売上のプロセス(過程)」を考えます。
 技術から教えられたスタッフは、「売れればいい」と思う結果主義の傾向が強くなります。考え方から教えられたスタッフは、売り方にこだわり、「お客様に喜んで買ってもらう」という思考的な傾向になります。
 入社から半年のスタッフ育成が勝負です。この時期にしっかりと考え方から入るカリキュラムを組み、成長を促しましょう。

p.86-7 臨界期の指導で最も大切なのは、お客様を喜ばせることが私たちの仕事の一番大切な原点であるという原理原則を教えてあげることです。また、技術よりも人間力が売るために大切なことも教えてあげましょう。

p.100 私は、年上のスタッフの方を、店長として「使う」なんて考えたことは1度もありません。それは、おこがまし過ぎます。自分の思い通りに年上スタッフを動かそうなんて思っていません。むしろ、知恵を貸してもらい、「私が年上のスタッフの方を必要としている」ことを感じてもらっています。私が頼りになる店長になるというより、私が頼りにさせてもらっているというか。

p.106 私の経験上、優秀なスタッフほど扱いづらいです。
 店長がしっかりとした信念を持って仕事に取り組んでいない場合、その(優秀なスタッフからの)質問に対しての返答の基準がぶれたり、矛盾が出たりします。結果として店長は、自分のいうことを素直にきくスタッフを重宝がり、自分のいうことにいちいち質問が多いスタッフを煙たがり始めるのです。

p.112 決定事項は必ず、その決定に至った過程と理由をワンセットで伝える癖をつけましょう。さまざまな事項において、店長の説明不足が、スタッフの勝手な妄想を呼び、スタッフ同士で不満を大きくしていく場合が多いのです。

p.113 店長は、スタッフと1対1で接しているように思いがちですが、スタッフ同士は仲が悪いように見えても、「つながっている」ということを絶対に忘れてはいけません。

p.129 頼まれたときこそ、相手の想像以上のことを返してあげると、信頼感がぐっと増すのです。仕事上の信頼とは、「あなたに頼めば、正確だし、何より速くやってくれる」と思われることで築きあげられるのです。これがスタッフとの関係を強化する秘訣です。

p.136 あなたが、相手(部下スタッフ)を変えたいと思うなら、まずしないといけないことは、相手を否定したり、相手の愚痴をいったりすることではなく、相手の懐に入り込むことなのです。つまり、相手の理解者になることから始めるのです。
 なぜでしょう。それは、どんな人だって、例外なく自分を理解してくれる人のいうことを、一番聞くからです。あなたが相手の愚痴や否定をしているようでは、絶対に相手は心を開いてくれないでしょう。

p.139 スタッフが辞めず、信頼される店長の条件はこの2つです。
 ①スタッフの直してほしい点は、その場で直接伝える
 ②必ず、その日にフォローする

p.150 スタッフの考えがお客様のためを考えている場合はもちろん絶賛し、そうでない場合はお客様のために判断するという基準を説明して指示します。こうすることで、店でのあらゆる判断が、お客様を最優先して考えなければいけないという原理を教えているのです。つまり、チームで統一した判断が持てます。

p.163 確かに仕事だけをする関係ならば、飲み会なんて必要ないかもしれません。しかし、それをいうならば、販売するにあたってコミュニケーションがいらないといっているのと一緒なのです。

p.171 「どんな社長になりたいですか」と聞かれれば、「私が社員ならついていきたい社長を目指しています」と答えます。
 「柴田、いい新入社員とは、上司が『こんな新入社員だったらいいな』と思う社員になることだ。そのうちお前が上司になったとき、今度はお前が新入社員だったら『こんな上司がいいな』と思う上司を目指すんだ」

p.171 店長としてのあなたの仕事は、「あなたがスタッフだったら働きたい店」をつくること、「あなたがお客様なら買いたい店」をつくることです。

p.175 まずは、店長という仕事を「お願いされた仕事」ではなく、「自分だからこそ与えられた仕事」と自覚しましょう。

p.176 スタッフにやりがいを与える、巻き込み力のポイントは次の3つです。
 ①スタッフに個別目標と役割を与え、「一緒に店運営に参加している感」を与えてあげること
 ②叱咤激励をして、正当な評価をしてあげること
 ③店にとって、欠かせない人物である気持ちを伝えること

p.180-1 「スタッフに褒めるところがない」というのは、店長の都合のいい自己保身のいい訳です。たいていの場合、「褒めるところがない」のではなく、「褒めたくない」だけなのです。店長の感情的なものが褒める行為を妨げているのです。

p.194 「尊敬できる店長に教えてもらったことは?」の答えには、「仕事のノウハウ」に関する答えがほとんどないということです。ほとんどが、「人としての生き方」や「仕事に対する取り組み姿勢」についてなのが印象的です。仕事のノウハウは、もちろん大切です。ですが、それ以上に、人として大切なことを教えてくれる店長が求められているのです。
 そう考えれば、店長として、上司としての人間力は、仕事において欠かすことのできない大切なものです。人間の魅力。その魅力を引き出すのに必要なのが、「自分磨き」なのです。

p.198 相手がいうことを聞いてくれない、と思ったときは、「なぜ、あのスタッフはいうことを聞いてくれないのか?」という視点で考えてみましょう。相手を嫌いになる前に相手を理解するよう努めるのです。

p.204 スタッフに思いやりを持ち続ける秘訣は、感謝の気持ちを日々確認する習慣を持つことです。感謝する言葉を、毎日スタッフにかけましょう。

p.209 スタッフがついていきたい愛される店長の最大のスキル、それは、お客様視点がぶれないことなのです。

p.210 愛される店長とは、理想の強い像にむりやり姿を変えるような「変身」ではなく、等身大の自分を活かし、「進化」させている店長なのです。



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3 Comments

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Unknown (秘密)
2014-04-07 01:26:40
素敵だし この意見はごもっともだと思います(*^^^)/

なんか私んとこの店長は優しいのは優しいけど

プライベートで忙しいらしく そんな事情は
私たちには関係ないことだし〓 
負担になるならやめれば〓って感じ。

説教ばっかで面白くないしあれやってこれやっての
指示で  つまらん┐('~`;)┌

やっぱり人間として
尊敬できるような人こそ
店長むきだと思います

気持ちのゆとりと
うつわの広い人間でこそ 素晴らしい 店づくりと
店長になれるはずだし

私からしたらまだまだって感じ

世の中 
思いやりや 言葉の言い方次第でしかられても

モチベーション あげていけるんでね 

やる気をなくさせるような人はむいてない
返信する
ぜひ読んでみて (お疲れ)
2014-04-13 14:52:47
(秘密)さん、はじめまして。
ぜひ、この本、読んでみてください。現実には、多くの上司がこの本のようではありませんが、自分がなることはできるのではないかと、自らを励ましてみてはどうでしょうか(こう書きながら、自分に言い聞かせているのですが)。
返信する
うちの店長にも (にっしー)
2014-05-11 21:40:19
ぜひ見て貰いたい!
うちの店長はまずスタッフを見てなさすぎる。
その上仕事は不十分。
お客様より数字が命。
名前だけの店長って感じです。
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