何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

こうして会社を強くする

2012-10-17 19:25:46 | Book Reviews
新版・実践経営問答 こうして会社を強くする」 稲盛和夫・盛和塾事務局、PHPビジネス新書、2012年7月13日

p.19-20 つまり、弱さを認め合ったりすることが良いか、悪いかではありません。どういう道を歩きたいか、どういう到達地点に至りたいかということが、まず議論にならなければいけません。
 目標が違うのに、そのプロセスを比べても意味がないのです。目標によって方法論は変わってくるのです。

p.24 決断する時に何をもって決めるかというと、それは心の中の座標軸になるのです。ですから私は、社長業を全うする、つまり企業を治めるには、判断・決断の基準となる心の座標軸を持っていることが一番大事だと思います。

p.25 社長は企業に対する無限大の責任感を持つことです。なぜなら、企業は無生物ですが、その企業に命を吹き込むのは社長である貴方しかいないからです。躍動感に溢れる会社になるかどうかは、貴方が企業にどのくらい責任感を持って自分の意志を注入しているかで決まるわけです。

p.30-1 人格でもって部下を引きつける経営者とはどういう人物なのでしょうか。私は、「仁」「義」「誠実」「公平・公正」「勇気」と言う五つの言葉で代表されることができる人だと考えています。つまり、思いやりがあり、義理人情に厚い人で、陰日向なく努力する人、そして人事に際しては私情を挟まず、事にあたっては決して卑怯な振る舞いをしない人です。

p.31 実は、人間が一番強くなるのは、執着から解脱した時なのです。「儲けたい」「偉くなりたい」、これはみな欲望です。もちろん、この執着、欲望から完全に抜け出すのは無理ですが、「人を喜ばすために」と考えれば、その分我欲が引っ込みます。心が高まっていくのは、実はここからなのです。

p.34 企業というのは人間の集まりであり、経営者の役割というのは、その人間の集団にいかに生命を吹き込むかということです。つまり、経営者は、企業を単なる烏合の衆としてではなく、全員が一つの目標に向かって突き進む集団、一つの意識、考え方を共有する集団にしていく必要があるのです。結局、経営目標とは、この人間の集団をいかにしていくかという経営者の思い、意志そのものでなければならないのです。

p.36 経営者にとって目標の設定とその達成は永遠の課題です。そして経営目標が経営者の意志の反映であるという意味において、経営目標を設定し、それに向かって社員と一緒に最大限の努力を払っていくということが、経営者の仕事の大半なのです。

p.40-1 しかし、余人をもって代え難いと思うなら、引き受けてはいけません。なぜなら、会社があっての公職なのですから。まず本業ありきなのです。会社が立派であるから就任依頼が来るのであって、本業を疎かにしては、たとえ公職に就いても良い仕事はできません。
 社長業も辞められない、代わりもいないというなら、全部辞めなさいとは申しませんが、やはりせいぜい七対三です。

p.48-9 次のご質問は、危機に臨んでの経営者の心構え、恐怖心に打ち勝つにはどうすれば良いのか、ということでした。
 結論から言えば、「勇気を持って事にあたること」、これに尽きると思います。まず、「心を落ち着ける」ことです。そして、これが一番大切ですが、「勇気を持って事にあたる。決して卑怯な振る舞いをしない」ということです。姑息な手段を講じて現状に負けてはなりません。そして、こういう修羅場の中でも「謙虚な気持ちでいる」ことです。謙虚さをもって事にあたれば、きっとその中から学ぶことがあります。

p.58 そういった厳しい追及を従業員に対して行うと、人間関係がぎすぎすしてくるのです。その時初めて、「なぜこんなに厳しくするのか、なぜこんなに高い要求を従業員にするのか」について、理由が必要となるのです。つまり理念や社風です。

p.62 新商品をつくっていかれる企業は、コストを基準に値付けをしてはなりません。新商品はその「価値」によってお客様が喜ぶのですから、使う人がいくらだったら買ってくれるのかという「価値」で値付けをすべきです。

p.94 私は、組織を構成する従業員の見極めについては、従来から以下のように考えてきました。できない人だけれども、その人の気持ちがどうなのか、ということを最初に考えました。その人が真面目で誠実で、何とか会社のために一生懸命働こうというふうに思っているならば、その人を大事にしていこうと思いました。つまり、その人の心情といいますか、人間性と会社への愛着がどの辺りにあるかということを、一番に考えて判断してきました。

p.99-100 ですから貴方は、「世間はしがないペンキ屋と言うでしょう。しかし、世間が言うしがないペンキ屋とは、こういう価値のある仕事をしているのです」と、従業員たちに切々と訴えていく必要があります。決して世間体が悪いのではありません。まず、自分の仕事に大義名分を立てて、どういう意義があるのかを明文化し、その大義名分に対して皆で燃えていこうとすべきです。

p.100 次に、お話をきいて、貴方が一番悩んでいらっしゃるなと思ったのは、従業員をまとめ上げられないということです。事業で面白みが出てくるかこないかは、従業員との一体感が出てくるかこないかにかかっています。社長が言ったことに皆が諸手を挙げてついてくる。そのためには、貴方という人間を従業員に訴えていくことが必要です。人間ができていてもいなくても結構です。その人たちを貴方の懐に入れて、自分を分かってもらうようにすることが大変大事です。「この社長とだったら、本当にどんな苦労をしても惜しくない」と、思わせるような人間関係をつくらなければなりません。
 それは無制限一本勝負みたいなもので、自分の仕事なら、まず朝から晩まで一生懸命やることです。

p.114 よく人心掌握の要諦を尋ねられますが、そんなものはないのです。貴方が勉強して辿り着いた哲学を社員と共有するため、全部署に説いて回るしか方法はないのです。

p.118-9 できれば自分を超える能力のある人に跡を継がせ、会社を伸ばしたいというのは道理ではあります。しかし、安全に事業を継承するということを第一と考えれば、非常に保守的ではあるかもしれませんが、私ならナンバー2の条件に「人柄」を挙げます。心がきれいで、人間として正しいことを貫いていくような真面目な人物を、やはり選ぶべきだろうと思います。

p.120-1 さらに、貴方が今しておられるのと同様に人生哲学を修め、(ナンバー2には)人間性を高める勉強をさせなければなりません。こうして、貴方が持つ哲学と共通のものを持っているという認識ができて、信頼関係が構築できた時に、仕事を任すということになっていくのだと思います。

p.233 名経営者の条件がもしあるとすれば、自分の今の経営という仕事を好きになることです。そのためには貴方の今の仕事に打ち込むこと、それしかありません。



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