何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

「あなたのところから買いたい」とお客に言われる小さな会社

2012-10-02 21:48:03 | Book Reviews
『「あなたのところから買いたい」とお客に言われる小さな会社 佐藤元相・著、フォレスト出版、2012年9月19日

p.37 そこ(いくら商品を勧めても振り向かない)を理解するためには、考え方を、「売る」から「選ばれる」に変えていただく必要があります。商売とは、お客さんに商品を買っていただくことではなく、選んでいただくことだと私は思っています。このことは、単に言い方の違いではなく、根本的なところに非常に大きな違いがあります。

p.39 実際問題、いまの時代に、商品の品質や機能で大きな差別かを図ることは難しいと思います。また仮に、明らかな品質の差があったとしても、けっしてそれが購入するかどうかの決定的な理由、第一の判断材料にはならない時代なのです。

p.41 品質にこだわるのは結構、サービスの向上に力を注ぐことも大事です。ただ一つ、忘れてはいけないのは、選ぶのはお客さんだということです。売り手が思っているストロングポイントと、お客さんが見ているところはまったく違っている場合が非常に多いのです。

p.45 お客さんが「ああ欲しいな」と思ったとき、そこにしかチャンスはありません。

 勧めて同意が得られたとき、少なくとも関心はゼロではない。選んでくれたことに満足せず、価値をさらに明確にすることだ。 #GE

p.46 DMとか飛び込み営業で売れたというのは、たまたまお客さんの心にニーズがわいている瞬間に、すごく稀な偶然で当たっただけです。だから、とても確率が低いのです。

p.54 今日の売り上げを立てないと経営ができない。そんなときに、「お客さん、いまどうしているかなあ」なんて考えうかびません。それは建前です。

p.58 人と人とのウェットな関わりは、いまのビジネスライクな世の中には縁遠いように思えて、実はいまでもれっきとして力を発揮しているのです。

p.76 反響はあてにせず、お客とつながることだけを考える。

p.78 なんと言っても「ご挨拶」が先です。いきなり何かを売り込んだり、見学会に来てもらいたいといった要望はできません。
 (チラシを)受け取った人に「何かの売り込みか?」と認識されてしまったら、もうアウトです。なぜなら、いまのチラシはそれ全部はねられているからです。

p.85 お客さんにしてみれば、「いい素材使っている、まごころ込めて建てています、それがなんだ。いい加減な素材を使ってもらったら困るよ、まごころ込めて建ててもらわなけりゃ困るよ」と思っているわけです。つまり、こういうことは、お客さんが商品や業者を選ぶ基準にはなっていないということです。

p.104 「自分はこういうもんです、こんな私たちですが、一生懸命につくりました。よかったら商品だけでも見てやってください」という飾らない姿勢のほうが、よほど好感を持たれるのです。なぜなら、お客さんはそもそも商品を見ていません。
 必死でがんばる姿勢に共感して、「応援してあげたい」という気持ちになって買うんです。

p.105 「品質ならどこにも負けません」なんてアピールしてもしらじらしいだけだというなら、いったい何をアピールすればいいのでしょうか?
 それは、過去の体験を伝えることです。未来はいくらでも大風呂敷を広げられても、過去はなかったことにできないんです。もちろん、ごまかすことはできるでしょうけれど、嘘はいずればれます。

p.113-4 いまはどこのメーカーの商品でも品質や値段はほとんど変わらない。どの店に行っても売っているモノもサービスもほとんど一緒。だからこそ、選ぶ要素としては、「誰から買うか」しかないんです。

p.130 情報が少ないほど気になるという以上に重要な理由があります。それは、ご挨拶チラシでは、徹底的に「売り込み」の要素を排除したいからです。
 そのものずばり「買ってください」とは言ってはいけないというだけでなく、「売り込み」に見える要素も極力入れないように気をつけて欲しいのです。

p.134 目的は、自分のことをお客さんにわかっていただくことです。売り込むことじゃないんです。ここを間違えたら何にもなりません。
 弾を撃ったら、あとはお客さんに選んでいただけるのを待つしかありません。そのために、弾を撃つのです。「自分は、こんな人間です。知ってください」と。くどいようですが、この目的をはずしたらダメなんです。

p.165 不動産管理会社のリッチロードでは、以前に担当していたベテランの営業マンも挨拶に行って名刺を置いて、顔を覚えてもらって、ということはやっていたはずです。では、いったい何が違ったのかというと、一方はあくまで契約を取りに行っていたのに対し、一方は人間関係づくりを目的としていたことです。

p.166 どの管理会社を選んでも、料金はだいたい一緒、サービス内容も変わりません。すると、あとは何で選ぶかと言えば、営業が感じよかったから、何となくうまが合いそうだからという理由が相対的に大きくなってきます。つまり、人間関係をつくっていることが圧倒的に有利だったのです。

p.196-7 経営が厳しいときに経営者のみなさんが陥りがちなのが、経営にとって一番大事な思いや情熱といったものを、ちょっと脇に置いてしまうことです。
 あえて言えば、(経営が)苦しくなる前にどれだけ手を打ったのか?
 さらに言えば、いまのお客さんは会社の経営を成り立たせるために商品を買うのではありません。思いに共感し、情熱に心を動かされ、理念を信じて託すのです。したがって、思いが先にこない会社は、いつもジリ貧、いつも数字に追われ、いつも大変な状態です。

p.220 いまの商売は、お客さんに商品をなんとか売り込もうというところにベクトルが向きすぎているけれど、本当は、地域の発展に貢献すること、お客さんの暮らしの向上に役立つことを目指すことで、自然と商売も発展していくかたちがもっとも無理がないし理に適っているはずです。

p.256-7 「お客さんのためにどうしたらいいんだろう、どうしたらもっとお客さんが喜んでくれるだろうか、どうしたら地域のために貢献できるだろうか、地域のために、お客さんのために、自分ができることって何だろうか・・・・・」
 それだけを考えて実行したら、いつの間にか経営的に成り立っていた。そんなあり方が、1つの理想と言えるかもしれません。



Comment    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 読むだけでお金に愛される2... | TOP | 癌だましい »
最新の画像もっと見る

post a comment

Recent Entries | Book Reviews