何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

「身の丈起業」のすすめ

2011-05-12 22:08:05 | Book Reviews
『「身の丈起業」のすすめ』 一橋総合研究所、講談社現代新書1795、2005年7月20日

p.11 宮仕えをしつつも、常に「起業」というカードをポケットの中に忍ばせておき、いつでも起業できるような準備を怠らないことです。それが、人生のリスクマネジメントになります。

p.12 リスクとは、本来リターンとのセットで論じられるべきもので、「変動可能性」と訳した方が正しいのです。

p.18 生活コストを削減したからといっても、必ずしも生活レベルが下がるわけではありません。面倒くさくなるとお金で解決しようとするものです。そんな行動をやめたところで、貧しい人生になるわけがありません。

p.48-9 起業のきっかけにしても、別にこういうパターンはダメで、こういうパターンがうまくいくといったようなものはありません。成功した起業家をみても、起業のパターンや動機は人それぞれです。必ずしも「起業するんだ」という強い意志があるわけではありません。
 起業の動機も、何でもよいのです。何か「純粋」な動機で起業しないといけないという人がいますが、そうでもありません。大事なのは正直になることです。

p.49-50 お金にせよ、お金以外の何らかのやりがいにせよ、自分の欲に基づいて起業するのであれば、それは正直な動機であり、正直な動機があれば、逆境にあっても簡単にはくじけない力の源ともなります。

p.50 起業とは、突然何の準備もせずに無茶に始めるものではなく、すぐに始められるようなことから、手をつけていくべきものです。「このままでは、自分の人生ちょっと不本意だな」と思ったときが始めどきです。

p.58 創業直後の会社の状態を「バンド経営」と言った人がいますが、これは実に的を射た行減です。一人でも抜けたら音楽が変わってしまう。そんな、一人一人が非常に重要な役割を果たすことが起業の醍醐味なのですが、それだけに、お互い「許せる」相手であるかどうかが、大事になってきます。

p.94-5 起業家は「人・モノ・金」というモデルではなく、別のモデルを追い求めるべきなのです。その別のモデルとしてお勧めなのが、「人・客・金」という考え方です。
 「人」が「客」を掴み、「客」が「金」を払ってくれる。そのお金を使って、さらに一周り大きな商売を仕掛けていく。「人→客→金」のサイクルを作り出し、その回転を大きくしていくことが、起業家の追い求める事業の姿です。

p.102-3 バズワード(buzzword:意味をよく考えずになんとなくよく使ってしまう言葉)は、お互いがその意味に関する認識を共有している人間同士のコミュニケーションをテンポよく展開するのには向いていますが、定義が厳密でないカタカナ言葉を多用していると、そのうえい、言葉の量が思考の量を凌駕し始め、それに慣れると物事を考える力が減退し、やがて思考停止状態に陥ることになります。

p.103-4 最近、世の中では成果主義の功罪が問われていますが、あれは大企業のなかでの話に過ぎません。起業して独立したら、成果主義は当たり前の話です。

p.109 創業とは、バンドを組むようなもので、理屈を突き詰めて考えないというか、多少の頭のネジの緩みも必要なのです。

p.121 起業の時に、不退転の決意があるかないかは、うまくやっていけるかどうかとあまり関係ないのです。不退転の決意とは、単に自分をモチベートする上での方法に過ぎず、実際には何事も退却は可能です。

p.135 起業家は、どうしてもよくないハプニングに見舞われてしまうわけですが、大事なことは、すぐに結果が出なくても、クサらずに挑戦を続けることです。成功した起業家は、「わらしべ長者」みたいなものです。

p.143 会社とはモノではなく場所です。色々な人が関与することによってそれぞれの目的を追求する場なのです。

p.148 「ステージが変われば必要な人材も変わる」
 集合離散は、成長ステージにある企業ではよくあることです。重要なことは、能力的に難しいと判断したのであれば、変に引っ張らないことです。「創業当時、苦労したから」という理由だけで登用されるのであれば、大企業の年功序列主義やオーナー会社の情実人事と何ら変わりなくなってしまいます。
 人事の停滞はかならず業績に現れます。

p.152-3 プロセスがなければ結果もないわけで、両方とも大事なのは当たり前のことです。プロセスは質でしか評価できず、結果は数値でしか評価できないと考えている、見識の浅い石頭です。

p.153-4 「社員の評価は、会社にとって再調達コストで計測する以外にない」
 社内だけの視点でなんとかしようとすると、絶対にうまくいきません。

p.158 そもそも、社長が社員に自分と同レベルの思い入れを期待するほうが間違っています。そんな間違った期待をする代わりに、わかりやすい行動規範を定めて周知させれば、それでよいのです。それが、ヴィジョンです。迷ったら、ヴィジョンに基づいて自ら考え、行動するように、社員を躾けるのです。

p.159 ヴィジョンを有効に使う方法は、ただ一点です。それは、「ヴィジョンに基づいて行動した結果は許す」ということです。


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