何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

小さくても強い会社の変化をチャンスにするマネジメント

2011-10-20 23:12:31 | Book Reviews
小さくても強い会社の変化をチャンスにするマネジメント」 小宮一慶・著、PHPビジネス新書、2011年6月8日

p.26 経営を知らない経営者やリーダーは、組織を「和気あいあい」にしようと考えます。

p.27 組織は外部に対して存在意義があってこそ、存続が許されるのです。

p.28 正しい社風は、「切磋琢磨」です。

p.28 和気あいあいの組織が起こす問題は、外部からのクレームや要望などに対して適切に対応しなくなることです。「こんなことをあの人に伝えたら、あの人がかわいそう」「組織に混乱がもたらされる」とか、「このことを提案すると、あの人の面子がつぶれる」などと考えて、社内に極力波風を立てないようにしようとします。意見が出なくなり、変化に挑戦どころか、波風を立てないことが第一になってしまうのです。お客様や外部からの声が、変化の根本です。それに対応できなくなったら、会社はもう末期的症状だとは考えたほうがよいでしょう。

p.35 経営者やリーダーに大切なことは「信念」を持つことです。それも「正しい信念」です。
 「この会社を通じて、社会に貢献し、働く人や自分たちを幸せにしよう」というのが正しい考え方です。

p.37 ところが、儲かり始めたときに落とし穴が待っています。少なくない数の経営者は、手間のかかるお客様第一主義を手放し、部下任せにします。任された部下がお客様のほうを向いて懸命に働いたとしても、トップの顔は利益のほうへ向いてしまう。つまり、お客様第一主義を言葉だけの飾りにしてしまい、利益第一主義、お客様第二主義へと鞍替えしてしまうのです。本来目的であるべき、お客様第一が手段になってしまうのです。
 より効率よく儲けようとして、仕事が荒れていきます。

p.38 それでも利益第一主義となったトップはそのやり方を改めることができません。というのも、一度つくった儲かる仕組みというのは、お客様が少々離れても一気に崩れることが少ないからです。しかし、変われないトップの下で働いている人たちは不幸でう。良い仕事をしたいと思っていても、トップは利益を追っている。すると、売り上げが下がり始めた途端、悪循環が始まります。売上目標、利益目標が設定され、社員を追い立てます。そして目標が目的化してしまったらもうおしまいです。お客様はそんな企業を好みませんし、働く人も疲弊してしまいます。

p.45 社長や上司が、「変わらなければ生き残れない」というような話を部下によくしているのではないでしょうか。この話をするときには、「なぜ、変わらなければならないのか」、そして「どのように、変わらなければならないのか」を説明しなければ、無責任です。
 「変わる」ということは、目的でなく手段だからです。そのことを理解していれば、「なぜ」「どのように」ということが説明できるはずです。

p.47 お客様が求めるQ(Quality)、P(Price)、S(Service)の組み合わせに応えることが、「変わる」ということなのです。

p.57 「変わる」とはチャレンジすること、機会を追求することなのです。その第一歩が現在の事業をさらに「伸ばす」ということなのです。

p.63 「五年後を変えるのは新規事業、十年後を支えるのは人」

p.85 マニュアル化できないやさしさは、言われなくとも気づいてできる人と気づけない人に分かれていきます。
 やらされている感や義務感、お金を稼ぐために仕方なくやっているという意識では、良いサービスはできません。やはり仕事に誇りを持ち、喜びや意義を感じてもらうことが、従業員一人ひとりの力を引き出していくのです。

p.97 「お客様第一」は「やっているか、やっていないか」の問題ではなく、どこまでやっているかの問題です。

p.98 儲けるために「お客様第一」をやっていては、それは手段にすぎず、それでは「利益第一」です。「お客様第一」が目的、つまり、良い商品やサービスを提供することが目的になってこそ、はじめて「お客様第一」なのです。

p.136 社会の関心事は、その企業が、商品やサービスを通じて自分たちに貢献してくれるかどうかなのです。企業は、社会から必要とされてこそ存続できます。ですから、単なる「自社の存続」よりも高い目的、例えば、「顧客の繁栄を通じた社会への貢献」であるとか、「地域社会の発展」というようなビジョンが必要で、それを掲げて本気で追求していれば、単なる存続のためとは違ったかたちで、変化に対応しようとします。もちろん、そのことは、企業の存続と矛盾するものではなく、存続とより強固とするものとなりますし、働いている人たちにも「働きがい」を与えることになります。

p.141-2 会社が普通の状態のときには、社員は「給料」についてくるが、しんどくなったときについてくるのは経営者の「信念」や会社の「ビジョン」だということです。

p.142 お客様は商品やサービスを買いますから、それが時代に合っていなければ、会社は短期的には成り立ちません。将来を見極めて、それらを変えていくことが大切なのですが、根幹に経営者の「社会に貢献する」「周りの人たちを幸せにする」といった気持ちのない会社では、ビジョンも儲けるための建前になりがちで、そのような会社は危機にも時代の変化にも対応できないのです。

p.186 「お客様第一」と「キャッシュフロー経営」が、この時代を勝ちぬくために企業が行うべきグローバルスタンダードの経営です。キャッシュフロー経営の根本は、「稼ぐ」と「使う」にあります。

p.193 現在のように環境変化が激しく、多くの業種で供給過剰の時代に、他社との違いを明確に出せない(=強みを活かせない)事業領域で勝負をしようとするのは自殺行為にも等しいものです。

p.203 単に、「金儲けができればよい」とか「自社が生き残ればよい」といった志の低い企業や経営者をお客様や社会は好きではないでしょう。そういう企業が生き残らないのは端から見ていれば自明のことですが、当の本人たちはその自己矛盾に気づいていないことが多いものです。お客様は自分たちの要求を満たしてくれる企業が好きなのであって、自社のことしか考えていないような企業が好きであるはずがありません。


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