「こんな時代に会社を伸ばすたった一つの法則」 小宮一慶・著、海竜社、2012年7月30日
p.6 経営の定義は、次の三つだと思っています。
1 企業の方向付け
2 資源の最適配分
3 人を動かす
p.12-3 あなたの会社の「目的」は何ですか? 「目的」は最終的に行き着くところ、あるいは存在意義でしたよね。
会社の存在意義は、たいていはビジョンや理念に掲げられていることです。
一方、「利益を上げること」は、ビジョンや理念が達成できているかどうかの尺度です。つまり、「目標」です。
p.33 お客さまは、会社や経営者の金儲けには何の興味もありません。「お客さま第一」とは、会社は、いかなるときも、お客さま志向を徹底しなければならないということです。
p.36 では、どうすれば、「働きがい」を高めることができるのでしょうか。私は、その答えは、1人ひとりの社員がお客さまのために、良い仕事をし続けることにあると思っています。
社員は、お客さまに喜ばれているんだと実感できれば、ますます良い仕事に邁進するようになり、それは、「自尊心」や「自負心」を芽生えさせることにつながります。
p.38 単にモチベーションを高めたいと考えるのは、「同じ給料で、倍働いてくれないか」と言っているのと同じこと。こんな経営者都合の発想に社員がついていくはずがありません。そうではなく、まずやるべきことは「働きがい」を高めることです。
p.52-3 「金儲け」のために働くのではなく、「良い仕事」のために働くほうが、結果として儲かる。言われてみれば当たり前のことですよね。あなたの会社で働く従業員さんだって、「売上を上げてくれ」と言われるよりも、「良い仕事をしてくれ」と言われるほうがヤル気も出るし、働いていて楽しいと感じるはずです。もちろん、お客さまも会社の売上や利益のためでなく、自分たちのために一生懸命やってくれる会社のほうを好むことは言うまでもありません。
p.54-5 従業員は、通常のときには給料についてくる。しかし、しんどいときにはビジョンや理念についてくる。
従業員は、平常時は、どんなにイヤな社長がいる会社でも給料や雇用のために我慢して働きます。けれども、会社が本当にしんどくなったら、それでは無理です。お金についていくことはできませんし、そのお金も十分に払えません。
会社の志だとか存在意義、つまり、ビジョンや理念だけが社員を支えるのです。
p.62-3 伸びる会社になるために大切にすべきことは、一つだけです。それは、「良い仕事」をする、ということです。
良い仕事というものを考えたとき、私は、二つの意味がそこにはあると思っています。一つは、他社よりもQPSの組み合わせを提供しお客さまに喜んでいただくことです。もう一つ、良い仕事とは「工夫しているか」ということです。
p.67 お客さま志向を邪魔する最大のもの、それは「お金」や「地位」などの私利私欲です。「お金は魔物」とはよく言ったもので、それまでお客さまに喜ばれるような仕事をしようと頑張っていた人も、お金や地位などの“にんじん”がぶら下がると、途端にブレ始めてしまうものです。
p.76-7 時間を自分でコントロールして、働きがいを感じながら仕事ができると、どんなにタイトでも時間に追われることはありません。
p.86 経営状態が良くないなら、経営者はまず、自分の給与から下げるのは当然のことです。それもせずに働く人の給与から下げようとすれば、経営者の人望を失います。
それだけではありません。給与が下がったら働く人の意欲は低下しますから、商品やサービスの質は落ち、余計に売れなくなり、結果、会社はますます業績不振にあえぐことにもなりかねません。
p.116 原理原則というのは、普遍的なものです。普遍的なものは、ある程度、単純化することができますから、誰にとっても、理解しやすいものだと思います。
ここで単純な経営者は、また間違えます。「お客さま第一を念頭に置いていればそれだけでうまくいく」などと割り切ってしまうのです。
もちろん、ビジネスは、「お客さま第一」という原理原則にのっとるのは当然なのですが、そのうえで、複雑な社会を読み解き、緻密な戦略を立てていかなければならないのです。
p.122 他社の動向、環境や経済情勢の変化、法律の変更など、これらは、いずれも企業側ではコントロールできないものです。
どんな会社でも社会の動きを無視しては、競争に勝つことはできません。ですから、日頃から外部環境をきちんと分析しておくことが大切です。それが、環境の変化に対応できる企業体質や文化を培う大前提です。いざ、外部環境に大きな変化が生じたときに、それを知らなければ素早く、柔軟に対応できないのです。
p.178 平たく言えば(弁証法とは)、ある事象があって(正)、それと反対のものが出てくると(反)、反発はするものの、最後にはそこから新しいものが生まれる(合)という考え方です。このことをドイツ語では、アウフヘーベン(止揚)と言います。テーゼ(正)とアンチテーゼ(反)があって、アウフヘーベン(合)するのです。そして新たな「正」が生まれる。
p.185 ビジネスも人生も、弱肉強食ではなく、より優れた者が生き残る「優勝劣敗」なのです。適者生存です。
ビジネスは、市場における他社との競争です。それは間違いありません。でも、ライバル会社を蹴落としてやろうなどと思わず、ライバル会社よりも良い商品やサービスを提供して、お客さまや社会から選ばれる会社になろうと思えばいいだけの話なんです。より優れた者が生き残る。だから、優勝劣敗なのです。
p.187 質を高めれば、相対的に質の低いところの売上や利益が減りますから、結果として量が増えるのです。量を増やすこと、規模を大きくすることありきで仕事をするのではなく、質を高めることを目的に置くことが、宇宙の原理に合っていることになります。
p.6 経営の定義は、次の三つだと思っています。
1 企業の方向付け
2 資源の最適配分
3 人を動かす
p.12-3 あなたの会社の「目的」は何ですか? 「目的」は最終的に行き着くところ、あるいは存在意義でしたよね。
会社の存在意義は、たいていはビジョンや理念に掲げられていることです。
一方、「利益を上げること」は、ビジョンや理念が達成できているかどうかの尺度です。つまり、「目標」です。
p.33 お客さまは、会社や経営者の金儲けには何の興味もありません。「お客さま第一」とは、会社は、いかなるときも、お客さま志向を徹底しなければならないということです。
p.36 では、どうすれば、「働きがい」を高めることができるのでしょうか。私は、その答えは、1人ひとりの社員がお客さまのために、良い仕事をし続けることにあると思っています。
社員は、お客さまに喜ばれているんだと実感できれば、ますます良い仕事に邁進するようになり、それは、「自尊心」や「自負心」を芽生えさせることにつながります。
p.38 単にモチベーションを高めたいと考えるのは、「同じ給料で、倍働いてくれないか」と言っているのと同じこと。こんな経営者都合の発想に社員がついていくはずがありません。そうではなく、まずやるべきことは「働きがい」を高めることです。
p.52-3 「金儲け」のために働くのではなく、「良い仕事」のために働くほうが、結果として儲かる。言われてみれば当たり前のことですよね。あなたの会社で働く従業員さんだって、「売上を上げてくれ」と言われるよりも、「良い仕事をしてくれ」と言われるほうがヤル気も出るし、働いていて楽しいと感じるはずです。もちろん、お客さまも会社の売上や利益のためでなく、自分たちのために一生懸命やってくれる会社のほうを好むことは言うまでもありません。
p.54-5 従業員は、通常のときには給料についてくる。しかし、しんどいときにはビジョンや理念についてくる。
従業員は、平常時は、どんなにイヤな社長がいる会社でも給料や雇用のために我慢して働きます。けれども、会社が本当にしんどくなったら、それでは無理です。お金についていくことはできませんし、そのお金も十分に払えません。
会社の志だとか存在意義、つまり、ビジョンや理念だけが社員を支えるのです。
p.62-3 伸びる会社になるために大切にすべきことは、一つだけです。それは、「良い仕事」をする、ということです。
良い仕事というものを考えたとき、私は、二つの意味がそこにはあると思っています。一つは、他社よりもQPSの組み合わせを提供しお客さまに喜んでいただくことです。もう一つ、良い仕事とは「工夫しているか」ということです。
p.67 お客さま志向を邪魔する最大のもの、それは「お金」や「地位」などの私利私欲です。「お金は魔物」とはよく言ったもので、それまでお客さまに喜ばれるような仕事をしようと頑張っていた人も、お金や地位などの“にんじん”がぶら下がると、途端にブレ始めてしまうものです。
p.76-7 時間を自分でコントロールして、働きがいを感じながら仕事ができると、どんなにタイトでも時間に追われることはありません。
p.86 経営状態が良くないなら、経営者はまず、自分の給与から下げるのは当然のことです。それもせずに働く人の給与から下げようとすれば、経営者の人望を失います。
それだけではありません。給与が下がったら働く人の意欲は低下しますから、商品やサービスの質は落ち、余計に売れなくなり、結果、会社はますます業績不振にあえぐことにもなりかねません。
p.116 原理原則というのは、普遍的なものです。普遍的なものは、ある程度、単純化することができますから、誰にとっても、理解しやすいものだと思います。
ここで単純な経営者は、また間違えます。「お客さま第一を念頭に置いていればそれだけでうまくいく」などと割り切ってしまうのです。
もちろん、ビジネスは、「お客さま第一」という原理原則にのっとるのは当然なのですが、そのうえで、複雑な社会を読み解き、緻密な戦略を立てていかなければならないのです。
p.122 他社の動向、環境や経済情勢の変化、法律の変更など、これらは、いずれも企業側ではコントロールできないものです。
どんな会社でも社会の動きを無視しては、競争に勝つことはできません。ですから、日頃から外部環境をきちんと分析しておくことが大切です。それが、環境の変化に対応できる企業体質や文化を培う大前提です。いざ、外部環境に大きな変化が生じたときに、それを知らなければ素早く、柔軟に対応できないのです。
p.178 平たく言えば(弁証法とは)、ある事象があって(正)、それと反対のものが出てくると(反)、反発はするものの、最後にはそこから新しいものが生まれる(合)という考え方です。このことをドイツ語では、アウフヘーベン(止揚)と言います。テーゼ(正)とアンチテーゼ(反)があって、アウフヘーベン(合)するのです。そして新たな「正」が生まれる。
p.185 ビジネスも人生も、弱肉強食ではなく、より優れた者が生き残る「優勝劣敗」なのです。適者生存です。
ビジネスは、市場における他社との競争です。それは間違いありません。でも、ライバル会社を蹴落としてやろうなどと思わず、ライバル会社よりも良い商品やサービスを提供して、お客さまや社会から選ばれる会社になろうと思えばいいだけの話なんです。より優れた者が生き残る。だから、優勝劣敗なのです。
p.187 質を高めれば、相対的に質の低いところの売上や利益が減りますから、結果として量が増えるのです。量を増やすこと、規模を大きくすることありきで仕事をするのではなく、質を高めることを目的に置くことが、宇宙の原理に合っていることになります。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます