何かをすれば何かが変わる

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そして行動を起こし、何かを生み出す。

調剤報酬引き下げに思う

2006-02-21 12:54:48 | 薬局経営
 4月からの調剤報酬改定内容が示され、引き下げ基調は覚悟していたものの、いったいどのくらいマイナスになるか、試算して今後の経営戦略などと、ソロバンをはじいている薬局があると思う。マイナス分をどこで取り返すのか、どうやって埋めるのか、そんな金勘定が経営だと思っている経営者が多いのではないか。

 しかし、これまでにも行われてきたそんな表面的な損得計算が、経営戦略じゃないと思うのが今改定だ。その大枠にあるのが、「医療制度改革大綱」。ここで今後医療が向かうべきベクトルが示されている。点数増減なんてメじゃなくて、その背後にある考え方、スタンスが重要だ。受け取りようによってはヒントが示されているのだと思えばいい。

 ひと言でいえば、患者の視点を重視し、患者にとって必要な質の高い医療を進めようということで、ムダをなくし、医療費の適正化(削減)を図るものだ。

 すなわち患者志向で薬局の質を維持、向上させることは、薬局の生き残りにおいて不可欠だと解釈できる。たとえば薬局機能評価(現在はVer.2)に示されている薬局の基本的部分は、ある程度のレベルでもって整備が求められていると思っていていいだろう。

 医療の質の維持、向上を図ろうとしたら、それなりの整備や投資が必要なのだ。いわゆる維持費もかかってくる。そこに経費をかけなければ、容易に質の低下を招き、患者さんからの評価に影響し、経営は悪化する。つまり、点数引き下げと同時に、患者さんからの評価を受けたければ、それなりの投資をしろ、ということだ。そこに本当の経営的難しさが秘められていると思うのだ。

 投資するなら、患者さんの評価を受けるように効率の良い投資をしろ、ということが考えられる。患者さんの要望って何だ?、どうすれば患者さんが喜んでくれるのか、そこに関心を向ける必要がある。

 台風が過ぎるのを待つかのように、厳冬でも時間が経てばやがて春が訪れるかのように、身を固くしていても、“お許し”など出ずに、ジリ貧になっていくだけのこと。競合するところが何かをしたら、追随するしかないし、できることなら先駆けてやることだろう。その代表例がジェネリックだろう。

 このような患者重視の先行投資体質に、薬局がなれるかどうか、投資額の多少を云々するのではなく、いかに薬局の文化が患者重視で自分たちの役割を適切に果たせるかどうかに関心が向くことではないか。奇抜なことや裏技を模索するのではなく、本来すべきことをいかに強化して薬局として、薬剤師としてレベルアップしていけるかどうか、そこが本当に点数引き下げが問う核心ではないか、大きな影響を及ぼす部分ではないかと思う。

 残業などの労務費を惜しみ、設備や物品の設備費を惜しんで、保身だけで中身のない役員を庇い、ソロバン勘定している薬局に未来はない。プラスを生み出そうとする活動を積極的に行えるかどうか、そこにエネルギーの大半を注ぎ、失敗を恐れずに活動ができる薬局こそ、社会から評価を受けることができるのだと思う 


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