何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

果たしてテクニシャンが生まれるか

2008-11-02 11:28:03 | 思いつくまま
 医師不足でコメディカルにはそれをサポートする動きや活動が求められている。大病院に患者が集中しないように、地域全体で医療を支える、中小病院でも請け負う患者が増えれば、それに伴って薬局も開局時間延長や夜間休日対応などが求められる。また在宅関連でも、他の医療従事者等と連携し、できることには協力していくことが必要とされる。薬剤師は、自身の役割を果たしながらも他の仲間を助ける機能も求められる。

 一方、調剤において、薬剤師を助けてくれるのが調剤補助者である。しかし調剤補助者の業務は、現在においてまだ微妙である。

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 米国では1990年から薬剤師による患者への服薬説明が義務づけられたが、その背景には薬剤関連の死亡者数が死亡原因の4~5位に上っていたことがあると説明。薬剤の相互作用などで余計にかかる医療費を服薬説明によって抑えるねらいもあったが、陳氏によると服薬説明に伴う薬剤師の人手不足がテクニシャンの導入につながったという。当初は薬剤師もテクニシャン導入に反対の姿勢を見せていたものの、「患者から目に見える仕事にシフトしたことで、結果として薬剤師の評価が高まることになった」と語った。(月刊薬事 50(11)1770,2008)
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 薬剤師はもっとすべきことがあるから、テクニシャンの存在がクローズアップされてくる・・・、現状の仕組みではやりたくても出来ないことがある、国民のために果たせないものがある・・・、今の薬局業務はそういった状況に置かれているだろうか。国民にとって、今の服薬説明はどの程度のものなのか、薬をもらうための補足程度なのか、より安全が確保されるよう、もっと姿が目に見える、印象に残るよう、さらなるものが求められているのか。薬剤師はもっと服薬説明をすべきである、質を上げるべきである、そちらにエネルギーを向けるべきである、そういった機運はいまひとつではないだろうか。

 より安全が確保される状態というものを実感していないから、その素晴らしさを知らなければそういったニーズも生まれて来ないだろう。そのような薬剤師の活動によって助けられた、安心して服薬ができる、未然防止ができた・・・、プレアボイドばかりでなくアフターケアも含めて、薬剤師が薬剤師ならではの役割を果たすことが評価されることで、テクニシャンの意義や存在が議論されるようであって欲しいと思う。

 現状は、最低限の薬剤交付を果たす程度のレベルを維持するために、薬剤師の人手不足を補い、労務費削減を図ろうとする経営的視点から調剤補助を正当化しようと考えるテクニシャン制度が期待されているように思われる向きを強く感じる。
 お手伝いか、アシスタントか、下請けなのではなく、本当はテクニシャンにもそれなりの専門性が求められるのだろう。手足のような存在でなく、立派な担当者として、われわれのパートナーとして期待したい。

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