何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

配合剤と単剤併用で用量オーバーの危険性

2011-09-05 18:10:31 | 思いつくまま
 ARBと利尿薬の配合剤には、ARBから大きく4種類に分類できる。
 いずれも、高血圧症において「第一選択薬とはしない」との注意書きがあり、ARB単剤または低用量配合剤で効果不十分のとき、使用される。
 
 配合剤はいずれも、ARBと利尿剤(ヒドロクロロチアジド)から成る。
 ARBはいずれも、単剤では「最大投与量」が設定されている。

 ロサルタンカリウム: 1日100mgまで増量できる。
 バルサルタン: 1日160mgまで増量できる。
 テルミサルタン: 1日最大投与量は80mgまでとする。
 カンデサルタンシレキセチル: 必要に応じて12mgまで増量する。
 
 ところが配合剤では、このARBに基づく「最大投与量」について記載がない。そこで、配合剤でも効果不十分なとき、さらにARBが追加処方されるようなことがあると、ARBの最大投与量をオーバーする危険性がある。

 とくに「ミコンビ配合錠BP」ではテルミサルタンの用量が既に最大投与量であり、たとえ20mgでも追加した時点で用量オーバーとなってしまう。
 また「エカード配合錠HD」ではカンデサルタンシレキセチルを8mg追加すると、用量オーバーになる。
 
 単剤なら、レセコン設定次第で最大投与量オーバーを“ひっかける”ことができるかもしれない。しかし配合剤となると現行のレセコンではすり抜けてしまうのではないだろうか。成分重複という観点でもひっかけてくれないのではないだろうか。
 
 同様のことはARB+Ca拮抗薬の配合剤でも予想される。めったにそのような処方はないかもしれないが、効果不十分という事態では起こりうる。レセコンに頼っていてもダメ。薬剤師が意識していないと、見逃す可能性が大きいものと危惧する。



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