「利他 人は人のために生きる」 瀬戸内寂聴・稲盛和夫、小学館、2011年12月3日
p.29 私は、法話ではいつも一つのことしか言っていないんですよ。それは、「思いやりの大切さ」ということです。思いやりというのは結局、「想像力」なんです。想像力で相手を思いやり、想像力で相手のつらさを理解して、想像力で相手を助けようとする。つまり、「想像力イコール思いやりイコール愛」だと思うんですね。
p.36 今はほんとうに苦しいかもしれない。つらいかもしれない。それを気力で乗り越えてというのは、酷なことかもしれませんけれども、やっぱる、なにか自然が、神様が、生かしておきたいという目的があってあなたを生き残らせてくれたのだろうから、もうそんなに自分を責めないでほしいのです。
p.81-2 こころの手入れをしなかったら、この貪欲で利己的な心のほうが自分の心をすべて覆い尽くしてしまう。そうなると、さっき言ったように、損得でもってすべてを判断するようになるわけです。だから、そのような悪しき心を抑えて、思いやりに満ちた真我や良心というようなものが心の中の大半を占めるようにしなければならないんですね。利己の心を少しでも抑えて、利他の心がいつも活き活きと活躍するように心の手入れをしましょう、と提案したいのです。
p.85-6 精神的に大変苦しいかもしれない。経済的にもつらいかもしれない。それは非常に深刻な問題でしょうが、それもまた、あなたに与えられた運命です。sなたがそういうふうな運命にあることを真正面から受け止めて、そんな逆境の中でも、「利他」の精神によって、他人のために生きる幸せを見いだすというふうに心を変えられれば、希望が持てるようになるんじゃないかと思うんですね。自分のためではなく、他人のために、もう一回やり直して頑張っていこうと、どんなにつらくとも、分貧乏しても頑張っていこうと気持ちを入れ替えれば、様々なことが好転して、必ず将来は開けてくると思うのです。
p.88 逆に、普段から悪いことばかりやっているような人が、どんどんお金持ちになっていく。そんなさまを我々はみるわけです。ところが、世の中よくしたもので、たとえそういう悪い人が成功しても、その成功が人生の最後まで長続きしたためしがないんです。
p.92 直接、自分のことでいい目をみたいと思って祈っているんじゃなしに、社会のために、人類のために、隣人のために祈っている。そういう人には、必ず幸運がめぐって来るんだという気がしますね。
p.164 つぶれても、JALは変わらず、飛行機を飛ばし続けていたんですね。それは、政府が国民の税金を使って飛ばしていたようなものなんですが、毎日これまで通り運航しているものだから、社員にも自分たちの会sががつぶれたという実感がないんですよ。
p.165 彼らの話を聞いていて思ったのですが、結局、再建のためのテクニックとか手法だけを言うんです。でも私は、JALがつぶれたのは、経営のトップから末端の社員までが、つぶれるだけの甘い考え方をしていたからだと思っていたので、まずはやっぱりそこを変えてもらわなきゃいけないと思いました。そうしないと、売り上げを増やしたりコストを抑えたりする手法だけ教えて、若干業績がよくなったろとしても、またすぐ元の木阿弥になると思ったわけです。
p.167 あらゆる差別は「利己」的な動機、つまり自分のほうが上だという意識から生まれてくる。
p.172 マニュアルどおりにやっていても、そこに心がこもっていなければ意味がありませんよ
p.186 逆に、何をうやっても駄目な時は、もしかしたら、このあとはいいことがあるはずだ、と思っていればいいんです。どん底まで落ちたら、そこは底なんだから、あとははい上がるしかないですからね。
p.29 私は、法話ではいつも一つのことしか言っていないんですよ。それは、「思いやりの大切さ」ということです。思いやりというのは結局、「想像力」なんです。想像力で相手を思いやり、想像力で相手のつらさを理解して、想像力で相手を助けようとする。つまり、「想像力イコール思いやりイコール愛」だと思うんですね。
p.36 今はほんとうに苦しいかもしれない。つらいかもしれない。それを気力で乗り越えてというのは、酷なことかもしれませんけれども、やっぱる、なにか自然が、神様が、生かしておきたいという目的があってあなたを生き残らせてくれたのだろうから、もうそんなに自分を責めないでほしいのです。
p.81-2 こころの手入れをしなかったら、この貪欲で利己的な心のほうが自分の心をすべて覆い尽くしてしまう。そうなると、さっき言ったように、損得でもってすべてを判断するようになるわけです。だから、そのような悪しき心を抑えて、思いやりに満ちた真我や良心というようなものが心の中の大半を占めるようにしなければならないんですね。利己の心を少しでも抑えて、利他の心がいつも活き活きと活躍するように心の手入れをしましょう、と提案したいのです。
p.85-6 精神的に大変苦しいかもしれない。経済的にもつらいかもしれない。それは非常に深刻な問題でしょうが、それもまた、あなたに与えられた運命です。sなたがそういうふうな運命にあることを真正面から受け止めて、そんな逆境の中でも、「利他」の精神によって、他人のために生きる幸せを見いだすというふうに心を変えられれば、希望が持てるようになるんじゃないかと思うんですね。自分のためではなく、他人のために、もう一回やり直して頑張っていこうと、どんなにつらくとも、分貧乏しても頑張っていこうと気持ちを入れ替えれば、様々なことが好転して、必ず将来は開けてくると思うのです。
p.88 逆に、普段から悪いことばかりやっているような人が、どんどんお金持ちになっていく。そんなさまを我々はみるわけです。ところが、世の中よくしたもので、たとえそういう悪い人が成功しても、その成功が人生の最後まで長続きしたためしがないんです。
p.92 直接、自分のことでいい目をみたいと思って祈っているんじゃなしに、社会のために、人類のために、隣人のために祈っている。そういう人には、必ず幸運がめぐって来るんだという気がしますね。
p.164 つぶれても、JALは変わらず、飛行機を飛ばし続けていたんですね。それは、政府が国民の税金を使って飛ばしていたようなものなんですが、毎日これまで通り運航しているものだから、社員にも自分たちの会sががつぶれたという実感がないんですよ。
p.165 彼らの話を聞いていて思ったのですが、結局、再建のためのテクニックとか手法だけを言うんです。でも私は、JALがつぶれたのは、経営のトップから末端の社員までが、つぶれるだけの甘い考え方をしていたからだと思っていたので、まずはやっぱりそこを変えてもらわなきゃいけないと思いました。そうしないと、売り上げを増やしたりコストを抑えたりする手法だけ教えて、若干業績がよくなったろとしても、またすぐ元の木阿弥になると思ったわけです。
p.167 あらゆる差別は「利己」的な動機、つまり自分のほうが上だという意識から生まれてくる。
p.172 マニュアルどおりにやっていても、そこに心がこもっていなければ意味がありませんよ
p.186 逆に、何をうやっても駄目な時は、もしかしたら、このあとはいいことがあるはずだ、と思っていればいいんです。どん底まで落ちたら、そこは底なんだから、あとははい上がるしかないですからね。