何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

薬剤師なのか、社員なのか

2006-11-29 19:07:24 | 薬局経営
 あるチェーン薬局では、薬剤師であっても調剤事務であっても、やたらに「社員」とか「薬剤師社員」と呼んでいるのだという。それも、やや意図的とすら思われるほどだという。
 一般の会社では「社員教育」という言葉が自然だが、活動の基盤を「会社」に置いていれば自然である。薬局は、チェーンであろうとなかろうと、薬局は薬局だ。活動の基盤は“医療提供施設”(医療機関と言ってもよい)であるから、活動の本質、実態に照らし合わせてみると、「社員」とか「会社」というのは違和感を覚えざるをえない。病院なら、「職員」と表現するだろう。

 医療提供施設であることからすると、そこで働く人々は医療従事者に他ならず、教育も「薬剤師教育」、「スタッフ教育」、「職員研修」というべきではないかと思う。

 スタッフをわざわざ「社員」と呼ぶのは何故か。「社員」という上下関係に組み込んで、指示・命令で動かせる存在だと刷り込もうとしているのだろうか。カイシャのために働いてもらいたいと考えているようなら、まるで兵隊のようではないか。
 薬局である以上、良質の医療(薬局サービス)を提供するという使命、社会的責任のようなものを負っており、公共性の高い業種である。社員である前に、国民のほうを向いて応えるべきだ。チェーンであっても、それぞれの地域において、その役割を果たそうと歩む「仲間」であり「同士」であろう。にもかかわらず「社員」と呼ぶのは、薬局としての活動とは異質の目的が、優先する(したい)からではないだろうか。

 薬局の現場では、日々、来局する患者さんと接し、100%医療従事者のひとつである「薬剤師」としての活動を求められている。社員としての活動など、期待していない(カンケイない)。
 スタッフは、薬剤師としてニーズに応えることとは別次元で「社員」としての役割を(必要以上に)求められているとしたら、そういった二重構造の環境に置かれて、それぞれから大きな要求や期待を課せられ、しばしば相反するものを求められて、相当のエネルギーを奪われているものと思われる。当然、薬局や薬剤師としてのレベルアップも阻害され、やがては疲弊してしまうに違いない 
Comments (3)
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