何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

分業率が上がっても門前指向?

2006-11-22 15:26:07 | よくわからないこと
 薬局での人材育成を目標として、何らかの行動をとった場合、それが進んでいるかどうかを何を指標に評価するとよいかについて、加算算定率を目安にするとよいか、(各種)来局者数を目安にするとよいかで意見が分かれた。

 加算算定率アップは、教育研修によりスタッフに服薬指導能力等の力がつけば、加算算定率アップを果たせるというものである。
 来局者数とは、スタッフの力量アップが患者さんに反映され、増患として効果が現れるというものである。分業により、どこの薬局で薬をもらってもいい状況の中で、薬局が評価されれば来局者件数や応需枚数は増えるという構図である。

 加算算定率アップは、調剤報酬上の算定要件が示されているとはいえ、その判断は薬剤師側に委ねられており、操作できる指標だ。客観的な線引きの難しい要件だから、グレーゾーンの扱いは微妙だ。
 来局者数アップ(増患)は、薬局サイドで件数を操作できないので客観性があるとはいえ、薬局が評価を受けたのか、医療機関など他の要因に左右されるのではないか、純粋に薬局の評価ではないのではないかと、懸念する向きがある。

 今の“調剤薬局”の多くは、設立経緯として、分業率向上の追い風の中、分業バブルと言われる時代に処方せんを院外に出すことを最優先に、その他に多少目を瞑ってもらいながら出来てきたものが多い。しかしそんな薬局も、今では分業率が50数%になった中、処方せんを応需するだけでは社会の期待や役割を果たしていることにはならない。

 もし地域的・立地的な事情があって、門前医療機関の受診者全員がひとつの薬局に集中しているのであれば、加算算定率アップが人材育成の指標として意味を持ってくるだろう。果たして、そういう状況がどのくらいあるか。応需率90数%なんていうことは、少なくとも都市部では一般的にありえないのではないだろうか。少なくとも10%以上は、門前以外に流れているのではないだろうか。

 門前であるとか、マンツーマンであるとか、当初はそうであっても、近隣周辺に住民がいないはずもなく、生活圏も狭くないだろうから、もはや地域の中の一薬局である。つまり門前であっても、その薬局で薬をもらいたくなければ、車でちょっと足を伸ばせばいいのだ。逆にその薬局が気にいられれば、少しくらい遠くても来局が期待できる。門前だの、マンツーマンだのという発想はとっくに終わっているのではないか。

 もはや門前医療機関とのセットで評価を得る時代ではないし、地域の中で評価を得たい・得るべき時代であることに疑う余地はない。であるならば、応需枚数、新患件数、久々の来局者数、門前以外の医療機関の処方せん枚数、そういったものが活動を評価する指標として、適切ではないかと考える。

 そもそもわれわれの活動は、経済活動を基本にすべきではなく、医療活動を基本にすべきであると考える。結果として繁盛するのは望むところだが、「国民の健康問題を解決する」というアウトカムを付加価値として提供できるかどうかに、評価がかかっているのではないかと考える。

 算定率アップか、増患か、評価するのは自分たちではなく、顧客の反応として現れる指標にするのが適切なありかただと考える 
 
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする