酒タバコ肥満撲滅委員会

市民マラソンを楽しみながら、酒とタバコと肥満は嫌いだ、と呟く日常をうだうだと。

名古屋ウイメンズマラソン観戦記録

2024-03-10 14:48:28 | Weblog
パリ五輪出場への出場のチャンスがかかった大一番、出場権獲得には1月に前田穂南選手が出した日本記録を更新しなければならないという、ものすごくハードルの高い大会でした。
しかし、全くといいほど届きませんでした。

優勝は安藤友香選手、パリへは行けないとはいえ2時間21分19秒、自己ベストを7年ぶりに更新しての初優勝はお見事でした。

たぶんマスコミも各人の持ちタイムから見て非常に厳しい(というか、たぶん無理)と思っていたはずです。
でも前田選手だって自己ベストは昨年3月の2時間22分32秒でしたが、今年1月に2時間18分59秒で日本記録更新です。
奇跡を期待する気持ちはわかります。

しかし日本記録の壁は厚かった。
というか、2時間20分の壁は恐ろしく厚かった。

レース序盤で徐々に日本新更新のペースから遠ざかり、中間点を前に興味は各選手の自己ベスト更新という展開。
日本人選手の優勝は難しいだろうという展開でしたが、安藤選手は必死の粘りでトップに並び、最後のスパートで突き放しました。

安藤選手は7年ぶりの自己ベスト、というより7年前の初マラソン以降一回もそのタイムを上回れず低迷していました。
優勝経験もなく、過去最高が2位。
今回がはじめての優勝で、はじめての自己ベスト更新。
これは嬉しいでしょう。

また日本人3位に大きく後退した鈴木亜由子選手も、終盤の気迫あふれる走りで自己ベストを19秒更新してフィニッシュ。

それぞれ大きな収穫があった大会と言っていいのではないでしょうか。


大会前の持ちタイムを速い順に並べると、

安藤友香  2時間21分36秒
細田あい  2時間21分42秒(故障で欠場)
鈴木亜由子 2時間21分52秒
加世田梨花 2時間21分55秒

全員が21分台で前田選手は彼女達より遅かったわけですから、この1年でいかに大きく成長したかということです。


これで男女ともパリ五輪の出場選手が決まりました。

代表の3人は昨秋のMGCで1位2位の選手が自動内定し、その後の指定試合で設定タイムを超えた選手の中での最速の1人が3人目に選ばれます。
結果的に男子はMGCの上位3選手が代表になり、女子の3人目はMGCで7位に沈んだものの1月に日本記録を更新した前田選手に決まりました。


今の選考方式が最善かどうかは色々意見がありますが、一発勝負で2人を決めて、残り1人は主観的要素を一切排除した客観要素だけで選ぶ今の方式はベストに近いと思います。

もし今回のレースで前田選手の日本記録を更新していたら、前田選手は五輪イヤーに日本記録を更新したのに五輪に出られないことになります。
そうなったら今の選考方法に対して批判が出るでしょうけど、五輪で求められるのは勝負強さとタイムの両方です。
MGCという一発選考の舞台で勝てなかったのは大きなマイナス、MGCで2位以内に入れなかったのならばその後にいくら凄いタイムを出しても勝負強さや本番に向けてのピーキングが劣ると低評価になっても文句は言えません。


今の選考方式で気になるのが、物凄い新人に対応していない点です。

今回の男子の設定記録は2時間5分50秒、日本記録は2時間4分56秒です。
もし2時間3分台の物凄い選手が出てきても、昨秋のMGC出場権を持っていてかつ指定大会での記録でなければ選考対象外です。

今年の大阪マラソンでは大下区政選手が初マラソンの日本選手最高記録を更新する2時間6分18秒のタイムで優勝しました。
初マラソンですから昨秋のMGC出場権はなく設定タイムも超えなかったので、五輪選考には影響しませんでした。
でも、もし2時間3分を出していたらどうだったでしょうか。
そんなすごい選手が代表になれないのは、実にもったいない。
また指定大会以外だけが選考対象になるので、たとえば別府大分毎日マラソンで物凄いタイムを出しても代表にはなれません。


3人目の選考基準として、現在の「設定タイム以上、日本人最速、指定大会での記録」の前に「陸連公認大会で日本記録1分以上更新」を加えてもいいかもしれません。
(女子は日本記録30秒以上更新でもいいかもしれない)

まあルールの上になりたつのがスポーツですから、どんな超弩級新人が出てきてもダメなものはダメという考え方もありますけど。
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