アメリカは常に世界一の覇権国家を追求してきて、エネルギー政策でも、世界の覇権を求めてきた。
それが石油依存の体質が強まりすぎて、石油中毒と自虐するほどに大量消費が進み、中東の石油を輸入する弱味が強く練ってしまった。
二度のオイルショックによって、なんとか石油依存を減らすエネルギー戦略を見直して、再生可能エネルギーの導入も検討した。
太陽光発電もかなり研究したが、当時の技術では価格が高すぎて、実用化するには無理なレベルであった。
風力発電の適地も、アメリカ国土には大量にあるので、ウインドファームも設置して実用化を図ったが、当時の技術では耐久性不足だ。
それで、石油の代替になる化石燃料として、アメリカ国土の地下に眠っている、大量のシェールガスの採取技術を進めて可能になった。
採取可能な埋蔵量は100年分以上も見込めるので、アメリカのエネルギー戦略は、シェールガスにより天然ガス主流の国策に転換した。
一時期に同意した「京都議定書」も離脱して、温室効果ガスの削減は先送りする対外的なエネルギー戦略である。
再生可能エネルギーの開発をやめたわけではないが、技術の進歩や、採算性の向上が実現するまでは、様子見の姿勢だ。
アメリカの外交政策の基本には、石油から離脱して、豊富な天然ガスを輸出できる状況にして、友好国を増やしていく戦略である。(続)