Soulful Bigover

「自由」と「ロマン」を求めて、creativeなアウトドアライフをめざす。

最大の成果は?

2011年05月02日 | Mountain winter
『白馬山塊 光陽』

(猿倉台地にて 2011.Apr撮影)
 
”チ~ム Bigover” は4月29~5月1日の4日間の予定で、北ア白馬周辺での山スキー山行に出向いた。
しかしながら、雪の状態及び天候悪化ですべての予定を変更。
結果、小日向山ピークのみの登頂~滑降でこの山行を終えた。

記録
 山域     北アルプス後立山連峰 猿倉台地周辺
 目的     山スキー
 日程     2011年4月29日(金)~二日間 
 メンバー   ”チ~ム Bigover” の計2名
 場所     ベースキャンプ地 猿倉台地1500m
          座標 N36°44′36″/E137°47′24″         
 ルート概要  1日目 猿倉入山(11:00)~猿倉台地~1501m付近にてBC設営(12:40)~幕営泊
        2日目 BC出発(05:30)~小日向山~(滑降)BC撤収~猿倉 (13:30)下山
         ・標高差677m  ・総歩行距離 6.6km
         ・行程時間 1日目1.5時間 2日目8.0時間
         ・ルート状況  積雪期・北アルプス春山
         ・山行形態   BC設営/山スキー(ビバーク装備携帯)

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積もった雪が、少し暖かくなった日差しに照らされてとける。
夕~朝にかけて、また冷やされて表面がクラストする。
その上にまた雪が積もる。

そんな事が繰り返されるのが、3月中旬頃からの北アルプス。
そして例年なれば、4月に入ると天候も安定して来て、雪は締まりザラメとなっていく。

しかし、今季はちょっと違ったようだ。
季節がずれて春の訪れが遅いのか、冬が長いのか?
4月に入っても、山では本降りの雪が降り続いていたようだ。

テカテカの滑り台のような斜面に積もった雪は、すぐに落ちてくる。
恐ろしい雪崩となって。

4月29日、猿倉より入山した僕らは、この時期にはなかった光景を見て驚いた。
いつもなら美しい白い斜面をみせてくれる長走沢が、上部より長い距離でデブっている。
杓子尾根越しに見る金山沢や白馬沢も、いたるところにデブリがBCより観測される。
「ダメかもしれない。」

そして、大雪渓で起ったとみられる遭難事故。
長野県警のヘリコプターが数機、爆音を立てながら我々のテント上空を飛び交っていく。
これで、完全にモチベーションが切れた。

脳から発せられる言葉は、計画実行を前提に「様子を伺いながら行こう」である。
が、心の中からの言葉は「怖い、こわい・・・」であった。

30日、とりあえず行動を開始したものの、僕は谷にはもう入れなかった。
その時、僕は臆病者だった。
でも、それでもいいと思った。

幸い?昼頃よりうなり出した雷が、僕らを山から追い出してくれた。

猿倉の駐車場まで、雷雨に打たれて帰って来た。
僕はビショビショだったにもかかわらず、妙にうれしかった。
その後、そんなに消耗した訳でもないのに、かなり疲れている自分にも気付いた。
でも、無事でいられる安堵感を同時に感じた。
帰路の車中で、30~1日にかけて北アルプスの天候が”大荒れ”となる事を知る。

「無事が何より!」が、この山行の最大の成果であった。

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詳しい記録はこちらで(1日目)
詳しい記録はこちらで(2日目)

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5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (きょろ)
2011-05-03 13:40:57
おかえりなさい。
無事に帰ってきた報告、
何よりのお土産です。
今年は春が妙に遅いですね。
山でも雪が続いていたのですね。
山へはまた行けます!
返信する
Unknown (Bigover)
2011-05-03 16:28:10
きょろさん、お心使い有り難うございます。
今年のGWの山では、残念ながら各地で事故があったようです。
自然に逆らった登山は、痛いしっぺ返しを食らうという事かもしれません。
これからも気を付けます。

それに、山はやっぱり’晴れた日’がいいですね。
そんないい日に行こうと思います。
返信する
Unknown (MA)
2011-05-03 22:49:28
こんばんは!MAです。ご無沙汰しています。
今年の春は天候不順ですね。遅くまで雪が降り
ました。更に雷まで鳴るとは。勇気ある撤退でした。
私は第二子(また男)が3末に生まれました。
ということで連休は子守です。
落ち着いたらまた行きましょう。
お願いします。
返信する
お帰りなさい (Ik)
2011-05-04 11:13:54
白馬方面もかなり厳しい山行だったようで、
今季の天候不順を思いながら拝読いたしました。
デブリの散見は本当に怖いですね…
立山も1日はあちこち雪崩れ、
雪質も天候もかなり不安定、
ルート半ばで撤退となりました。

ちょうど雷鳥沢BCにいた時、
白馬でかなりの規模の雪崩事故が
あったという一報。
慎重なお二人のこと、まさかは
あるまいと思いつつ、
心配しておりました。
山に欲をかかない、
それが大切なのかもしれないと
思う今日この頃です。
お疲れ様でした。
返信する
Unknown (bigover)
2011-05-05 10:55:31
MAさん、こんにちは。
まずは、男の子誕生おめでとうございます。
子守り大変でしょうががんばって下さい。
Hぱーにも、よろしくお伝えください。
落ち着いたら山やクライミング、またご同行願います。
今年のGW、北アは冬山でした。
GW前には、涸沢で小屋が吹っ飛ぶくらいの雪崩があったようです。
雪のある谷には入ってはいけない状況でした。
僕は勇気がなかったので、早々に山から退散して来ました。

Ikさん、お互い無事で何よりでした。
雪崩に遭う遭わないは運もあるので、ある程度覚悟がいりますね。
遭った時はあきらめましょう。
それがいやなら山に行かないか、早期に撤退を決めるかのどちらかでしょうね。
知識の蓄積も大事ですが、現場で経験を積んで勘を養う事はとても大切です。
それには、ちょっと痛い目に遭うぐらいの山行をやらなくては。
自分を追い込める環境を作って、お互いがんばりましょう。

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