Soulful Bigover

「自由」と「ロマン」を求めて、creativeなアウトドアライフをめざす。

はじめと終わりはポツリ雨で(連休前半報告)

2005年05月06日 | outdoor&sport
ゴールデンウィークは計画していた通り、北アルプス山スキー山行を実施した。
メンバーは、かみさんと二人。
場所は、針ノ木雪渓の大沢小屋ベースで3泊4日の計画だった。
このルートは、我々の兼ねてからの目標ルートでもある。
連休前の27.28日で仕事をパタパタ片付けて装備を準備、明けて29日の早朝自宅を発った。

車を停める扇沢には9時頃到着、残念ながら雨がポツポツ降り出した。
待っていてもしょうがないので、カッパを着て行動を開始、幸い駅横より河床におりてシール登高出来、少し楽した気分だった。
時折雨風がきつくなったりしたが、今日はどのみち大沢小屋までだ。
重荷だが2時間も歩けばビールが飲める、それを楽しみにちょっとがんばる。

12時過ぎに小屋に到着しさっそくテント設営、小屋に挨拶を済ませストーブに火を付け濡れもの乾かす。
このとき、ちょっとトラブル発生
ニューガソリンストーブの着火に失敗、テントのポールスリーブを溶かしてしまう。
テント内で発火した時はかなり慌てたが、なんとかストーブ本体を外に放り投げて消火に成功。
幸いテント本体は無傷で、スリーブの補修でことなきを得る。

その後はストーブは、着火は外で行い火が安定してからテント内で使用した。
この日の夕食は、スパム(加工豚肉缶詰め)汁。
あまりの旨さに、かみさんからも賞賛を受ける。

明けて30日は快晴、目標の針ノ木岳へ向う。
途中大きなデブリもあったが、雪渓のど真ん中をひたすら登る。
マヤクボ沢との出合付近で、休息中のS氏と遭遇。
以前世話になった山岳会の先輩である。
S氏は、冬の南八ヶ岳をスキー履いて縦走するほどで、山スキーでは神に近い上手さを持っておられる方だ。
しばらく談笑した後、氏は僕らと分かれ蓮華岳に向われた。
そのS氏のトレースは、僕らより緩傾斜でのジグ登高で、その切れ目のないゆったりとした登りは、僕らの大きな教示となった。

マヤクボ沢に入ると傾斜も増し、2380mで壺足アイゼンに切り替え、ハァハァ云いながら雪壁を登る。
バテ気味のかみさんは、少し遅れて後から行くと云う。
一緒に針ノ木のピークに立ちたかったが、残りの時間と体力を考えて自分一人で頂上に向う。
2820mのピークからは、碧の水をたたえる高瀬ダムの向う側に、北アルプスの主峰槍ヶ岳の北鎌尾根が見える。
かつて自分が厳冬の北鎌に挑んだ時のことを思い出し、胸が熱くなる。
立山、剣もよく見え、昨年滑ったタンボ平は白く美しく輝いていた。

かみさんとは、ピークから少し下がったコルで合流した。
彼女、もともと山屋でないことを思うと、ピークにこそ立てなかったが、ここまでホントよくがんばったと思う。
でもがんばった分だけ、滑降の褒美がもらえる山スキー。
これがあるから、登りがつらくてもやめられないのだ。
登りの疲れはとりきれないが時間も2時になるので、いよいよ二人で褒美を頂くとする。

しかし油断はできず、これより一番の心配は、自分のヘルニアの再発。
慎重かつ無理厳禁で降りなければと、肝に命ずる。
最初の急斜面はキックステップで慎重に切り返し、すこし緩んだ中間部よりターンで滑降。
ここはノーシュプールで、最高の気分で滑り降りることが出来た。
雪は、少し水分が多いが上々のシャーベットで、下手なスキーでも上手くターンできる。

次の斜面も大胆に滑降し、心より山スキーを堪能する。
デブリのある箇所まで降りてくると二人はもうヘロヘロで、最後は流して滑降した。
テントのあるベースには4時ごろ到着、高低差1100mの大滑降を無事終えることが出来た。
今回の山行、この日だけで☆☆☆の100点満点を頂いた気分だ。

次の日は、昨日の疲れもありゆっくりした朝を迎える。
今日は偵察もかねて、蓮華岳大沢右俣に入る。
この沢、蓮華岳の北面にあり雪の状態も良いようである。
最初広い雪渓をシール登高し、左俣との出合で少し休憩した後、狭く急斜面の続く右俣に入る。
今回は傾斜が増す最初のノドの手前で打ち切りとし、ここから滑降することにした。

適度な傾斜のバーンを、二人でおもい思いのシュプールを描く。
あっと云う間の滑りだったが、今日は楽しみながら滑降できた。
谷を振り返って、来年はあの斜面を上から攻められるよう、スキー技術を磨くべしと心に誓った。

ベースに戻り至福のビールを痛飲し、作っておいた杏仁豆腐を食べる。
これも春山のたのしみ、ベースでしばらくのんびり過ごす。

今回の山行、予定ではもう一泊だが、どうも空模様があやしい。
かみさんと協議の結果、雨で濡れる前に今日撤収して下山することとする。
逃げ足早いのもいい山屋であることの必須条件、早々に撤収して小屋を後にする。
案の定、扇沢の駐車場に着くと同時に、雨がポツリポツリ。

はじめも終わりもポツリ雨で、なんだかキリのいい山行となった。
かみさんと山行の成功を祝してハイタッチ、その後大町温泉で汗を流し、帰りはのんびり安全運転で帰宅した。

29日 3:30 自宅〜9:00 扇沢〜10:00 入山〜12:30 大沢小屋(ベース設営)
30日 2:30 起床〜5:30 ベース発〜8:40 2200m〜13:00 針ノ木岳ピーク〜16:00 ベース着
1日 5:00 起床〜7:30 ベース発〜10:40 2090m〜12:00 ベース着〜14:00 ベース撤収〜15:00 扇沢〜23:00 帰宅