河口の倉庫街を離れ、一日乗り放題のチケットを買って再び二階建てバスに乗り、車上(車中ではない。2階の屋根なし席だから)から街並みを見ることにした。
それにしてもなんといい天気
今回の旅行はずっと天候に恵まれ、イギリス旅行には必須アイテムの折りたたみ傘もレインコートも一度も使うことはなかった。
だが肌寒いことは何度かあった。イギリスは「一日に四季がある」と言われているそうで、Bさんからは「ちょっと厚手のものを」と言われ、Tさんからは「5月に行った友だちがダウンを持って行けばよかったと言ってた。」という情報があった。
薄手のダウンブルゾンを圧縮袋に入れて持って行ったが、こうした吹きっさらしのバスでは役立った。首にはスカーフもしていた。なのにタンクトップ姿の地元女性とすれ違ったりする…。
バスを降りてランチ。イギリスに来たらこれを食べなきゃとみんなで言っていた「フィッシュ&チップス」である。
イギリスの食事は不味いと言われているが、決してそんなことはなかった。
このフィッシュ&チップスも美味しかったし、ホテルの朝食も美味しかった。
ただどれも量が多い。ハーフサイズにしても食べきれず困った。
「ちょっとここで降りましょう。」とBさんが言った。「ぜひ案内したい所があるの。」
降りたのはリバプール中央図書館(画像:2階建てバスの右後方)の前だった。
歴史ある重厚な石造りの建物を入ると一転、超近代的な設計で、明るい吹き抜けをエスカレーターが縦横に渡っていた。
旅行後に調べてみると、約150年前に建てられた建物の外観を保存しつつ大がかりな改修工事が行われたらしい。
エレベーターで4階に行った。
ここでまた話しが逸れるが、イギリスでは日本でいう1階が「Ground Floor」で言わばゼロ階、2階を「First Floor」1階としている。それでホテルやデパートなどで戸惑うことがあった。
4階で降り、大きな扉を開けて思わず息を呑んだ。
広大な円形のリーディングルームで、周囲360°、しかも3階(2階と言うべきか?)までがすべて書架になっている。
昔、映画「マイ・フェア・レディ」を観た時、ヒギンズ教授の書斎シーンで壁一面天井まで届く本棚に感動したのを思い出した。たしかここと同様の2階通路があり、らせん階段があったと記憶している。
ドーム天井から柔らかい光が注ぎ込んでいるようで、大げさでなく荘厳さすら覚えた。
圧倒され、しばらく陶然として椅子に座っていた。
Bさんの予定では帰りはフェリーだったが、最終便の午後4時に間に合わなくなり、リバプール・セントラル駅から電車に乗った。
5時過ぎにホテルに戻った。
Bさんは一旦帰宅し、6時45分にSさんと二人で迎えに来てくれる。
今夜はお二人の友人一家にお招きを受けているのだ。
To be Continued
バスを降りたのは市の中心部で、ヴィクトリア・モニュメントのあるロータリーだった。
女性6人そぞろ歩きしながら、あちこち写真を撮りながらアルバート・ドックに向かった。
アルバート・ドックは、貿易船が積荷を上げ下ろしした倉庫を再開発した施設で、日本で言えば「横浜赤レンガ倉庫」といった感じの所である。
建物の前に巨大な錨があるのは「マージーサイド海事博物館」。
入らなかったが、後で調べると産業革命時代からの海運の歴史、負の遺産でもある奴隷交易の足跡などが展示してあるらしい。
「あの観覧車、速くない?」誰かが言い、見ると確かに日本のものより1.5倍は速く廻っている。
乗ろうということになったが、Bさんと私は辞退した。
下で写真を撮ってあげようと構えていたが、窓がスモーク気味で撮れない。
それじゃ降りてきた所をと思って出口で待ち構えていると、1周しても停まらず通過した。
あの速度では1周はあっという間、2周なんだと待っていたら、またノンストップで3周目。
いったい何周!? なんと5周してようやく停まり、4人が降りてきた。
「何周廻るとかの説明や表示はあったの?」と聞くと「全然。」
どうやら通常は3周らしく、2周は係員のサービス(よけいな?)だったのか?
Mさんが乗っている時の様子を動画で撮っていて大いにウケた。
「止めて!」「降ろして!」「何回廻るの?」「もういいよ!」Zさんが叫んでいた。
リバプールは何と言ってもビートルズ誕生の地として有名。
折しもポール・マッカートニーは入れ違いに日本公演に(残念ながら体調不良で全公演が中止になってしまったが…)。
ビルの地下に彼らの足跡や記念の品々を展示している「ビートルズ・ストーリー」があり、みんなで入った。
日本語にも対応したイヤホンガイドを聴きながら、照明を落とした暗い順路をゆっくり見て回った。
Mさんはご主人がバンドを結成していて、その名も「るーずびーと」というほどの大ファンで思い入れも強い。
「ロンドンに行ったら、アビーロードでみんなでビートルズみたいに写真撮ろう。」と旅行前に言っていたが、Bさんに紹介された定点カメラを見ると、車の往来を邪魔しそうで断念。館内の大パネルの前で個々に撮った
To be Continued