ドーハからの機中では「ゼログラビティ」を観て過ごした。
実は成田離陸直後に観ていたのだが、宇宙飛行士のS・ブロックが船外活動をしていて数々のアクシデントに遭うストーリーで、大気圏とはいえ空中にいる身、なんとなく落ち着かず観るのをやめていた。
しかも飲み物のカップを掌で蓋するくらいに揺れたことも何度かあったし…。
しかしJ・クルーニーに惹かれて改めて観た。
入国審査用紙もみんなと相談しながらなんとか書き終え、いよいよイギリス。
マンチェスター空港に着いたのは現地時間13日午後1時15分だった。
日本とは8時間、ドーハとは2時間の時差がある。
空港にはBさんがご主人のSさんと共に迎えに来てくれていた。
私たちはミニバスに乗り込んだ。たくさんの荷物と7人がゆったり乗れるよう、Sさんがレンタカーで借りてくれたのだ。
マンチェスターはイギリスの北西部、アイリッシュ海側にある。
距離の比較はわからないが、ロンドンを東京に例えるならマンチェスターは金沢辺りの位置関係になるだろうか。
これから1週間、その行程をSさんがずっと運転してくださるのだ。恐縮と感謝しかない。
まずは城郭都市チェスターへ。
重厚な石の建造物にただただ圧倒される。
街を取り巻く城壁は石畳の歩道になっていて、そこを歩きながら見学した。
「ほら、屋根が斜めになった小さな建物があるでしょう? あれは各家の外トイレ。」
Bさんが説明してくれた。
「その間の細い路地は、回収するための荷車が入る道なの。」
なるほど、町ぐるみの合理的な設計である。
時計台は、ヴィクトリア女王の即位60周年の記念を祝って建造されたものらしい。1897年なので日本では明治時代になる。
メインストリートは白壁に黒の木枠の「これぞイギリス」といった感じの建物が並んでいて、中世にタイムスリップしたような錯覚に捉われる。
それらの建物の中にあるカフェでお茶した後、1泊目のホテルがあるウィラルへ
車窓を流れる景色も美しく、写真をパチパチ撮っていたら突然気分が悪くなった。
景色に夢中で乗り物に弱いことをすっかり忘れていたのだ。
みんなは私が酔うことを知っていて、優先的に快適な座席を選ばせてくれていたのに二度ほど車を停めていただき外の空気を吸った。途中で立ち寄ったパブ。昔の民家を改造した店内で、暖炉や天井の梁などとても雰囲気があったが、残念ながら写真を撮っていない。
立ち飲みのカウンターの他に大テーブルがひとつあり、地元の男性二人(後記:かん子様より男女だったとの指摘あり。車酔いで観察眼ゼロだった!)を挟むように相席させてもらった。
夕刻ホテルにチェックインした。
その夜は全員でディナー、食後にはSさんの妹さん二人が訪ねてきてくださることになっていたが、私の体調不良は戻ってなく、誠に誠に申し訳なかったが欠席させていただき部屋で寝ていた。
皆さんは美味しい食事とおしゃべりを愉しんだようだ。
To be Continued