垣根涼介著『張り込み姫 君たちに明日はない3』 2010.1.15 初版 1,500円
+tax
オススメ度:★★★★☆
「君たちに明日はない」シリーズも本作で3作目となった。当初、この作家にしてはジャンルが今までとはあまりにも違うので同作家のファンのひとりとして戸惑いを覚えたものだ。
だが、予想に反して第一作、第二作とも非常に面白かった。
ひとえに垣根さんの着眼点が独創的であるとともに、人間観察眼が極めて秀逸なことによるものと確信する次第。
また、世の中が“大リストラ時代”の真只中にあることが、このシリーズが時代を先取りしてヒットした理由であろう。
さて、今回真介が担当したリストラ対象となった業界は、英会話学校、旅行会社、自動車業界、そして出版社。
確か垣根さんは作家になる以前は旅行業界に就職したはず。なかなかこの業界を知悉していることが伺われる。
更に自動車業界、なかでも修理関係においては著者自身をも物語で登場させるくらい入れ込んだ作品であり、シリーズを通しても一番ほろりとさせる内容となっていることを特筆したい。
世の中の不況は自民党から民主党に移っても相変わらず続き、この先景気が上向きになる気配をみせないまま、同シリーズの真介がまだまだ活躍するであろうことを想像すると、何か複雑な心境になってしまう。
同シリーズは極めて面白いのでこの先も続いてほしいのだが、こんな物語が「過去の思い出」となる日が早く来てほしいものだ。
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オススメ度:★★★★☆
「君たちに明日はない」シリーズも本作で3作目となった。当初、この作家にしてはジャンルが今までとはあまりにも違うので同作家のファンのひとりとして戸惑いを覚えたものだ。
だが、予想に反して第一作、第二作とも非常に面白かった。
ひとえに垣根さんの着眼点が独創的であるとともに、人間観察眼が極めて秀逸なことによるものと確信する次第。
また、世の中が“大リストラ時代”の真只中にあることが、このシリーズが時代を先取りしてヒットした理由であろう。
さて、今回真介が担当したリストラ対象となった業界は、英会話学校、旅行会社、自動車業界、そして出版社。
確か垣根さんは作家になる以前は旅行業界に就職したはず。なかなかこの業界を知悉していることが伺われる。
更に自動車業界、なかでも修理関係においては著者自身をも物語で登場させるくらい入れ込んだ作品であり、シリーズを通しても一番ほろりとさせる内容となっていることを特筆したい。
世の中の不況は自民党から民主党に移っても相変わらず続き、この先景気が上向きになる気配をみせないまま、同シリーズの真介がまだまだ活躍するであろうことを想像すると、何か複雑な心境になってしまう。
同シリーズは極めて面白いのでこの先も続いてほしいのだが、こんな物語が「過去の思い出」となる日が早く来てほしいものだ。
たなみに『シブミ』の上巻のあと、なかなか下巻が入手できず、ほかの本を読んでいます。つらいところです。
でもそろそろ「ワイルド・ソウル」のような作品も上梓して欲しいものです。
ところで「シブミ」の下巻手にしたのでしょうか?じらされますねw