sigh of relief

くたくたな1日を今日も生き延びて
冷たいシャンパンとチーズと生ハム、
届いた本と手紙に気持ちが緩む、
感じ。

映画:パレルモ・シューティング

2012-06-08 | 映画


3月に見た映画の感想を今頃書いてすみません。

今年はいつになく劇場で映画を見ることが多いのだけど
大体安い回数券のある近所の映画館(5本4800円!)か
レディースデイに行くので
1800円出して見ることはほとんどないのです。
1000円くらいだと、小品でも楽しめるけど
1800円はかなりの大作でないと見る気にならない。

この映画は今年見た中で、1800円払った数少ないものです。
(もう1本は「ブリューゲルの動く絵」)
写真の教室の修了展示が神戸のアートビレッジセンターであって
そのオープニングパーティのとき、同じ建物で
パーティ後の丁度いい時間にこの映画がやってて
カメラマンが主役のヴェンダース監督映画!見るしかない!と
パーティでほろ酔いのあと、見に行ったのです。
写真展後にカメラマン映画なんて、なんて趣味のいいわたしたち!と
自画自賛しながら
あまり予備知識なく見たのですが
主役のカメラマン役のカンピーノがかっこいいーーーっ!
めろめろになりました。

カンピーノはドイツの人気ロックシンガーだそうで
そういわれれば、やたら存在感はあるのに
演技はどこか不器用な感じ。上手くはない。
でもそれも含めて、かっこいい。
ものすごく好みのタイプの体つきで、
目は鋭いのに、無骨なやさしさもあり
ワイルドなのに迷子のようなところもある。
彼にきゅんとしない女がいようかと思うほど。

不眠に悩まされている世界的有名カメラマンのフィンは
ほんの思いつきのようなきっかけでイタリアのパレルモを訪ねる。
そこで絵画の修復をする美女と出会い、
幻覚のようにフィンの前に現れてきた
死神(デニス・ホッパー)とも対峙することになる。

と、ストーリーはこんな程度のことなのですが
ヴェンダース、やっぱり好きだなぁと思った。
映像もカッコいいし、わかりやすさと暗示や曖昧さの加減が絶妙と思う。
何よりカンピーノが出てるだけで、何でも許す(笑)

他にも見所はいろいろあって
音楽も、音楽の使い方もいいし
妊婦のミラ・ジョボビチ(本人役)を撮影するシーンがあるんだけど
実際に妊婦だったようで、女神オーラだしまくりの
妊婦ミラ・ジョボビチに目が覚めます。

また、死神役のデニス・ホッパーはこれが遺作で
これも見とくべきと思わせる。
後半彼が出てくると、まるで彼の映画のようになっちゃった。
もちろんカンピーノの存在感も負けてないんだけど
やはり役者として、また人生のキャリアが違うよなぁと。

でも、死神との対話はカタルシスというよりは
けっこういらない感じもしたかも(笑)
生と死に対する内省的な考察みたいなのはいらないなぁ。
西洋人には面白いのかもしれないけど、
死を恐ろしい裁きのようには思わないわたしには
どこかわかりきったことばかりに思えて。


ヴェンダースはベルリン天使の歌も好きだけど
実は「ミリオンダラーホテル」(→感想日記)が大好き。
なんだかやさしくて詩のような映画です。
また借りて見たい。

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