老いの途中で・・・

人生という“旅”は自分でゴールを設定できない旅。
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ソーシャル・ディスタンスについて

2020年07月22日 19時10分28秒 | その他

 新型コロナ・ウィルスの感染拡大と共に、このソーシャル・ディスタンスなる言葉が頻繁に使われるようになり、とりわけ英語表現の好きな某都知事さんが使われている姿を多く見受けました。

 何となくおかしい表現だと思いながらも、ついそのままにしていたのですが、7月18日の毎日新聞夕刊の「松尾貴史のちょっと違和感」というコラムで松尾氏がこれに関して、“本来のソーシャル・ディスタンスの意味は違う、ソーシャル・ディスタンシングと混同されたのか・・・”旨の書き込みをされていましたので、例によって色々と調べて見ました。

◆Goo辞書によれば、
ソーシャル・ディスタンス【social distance】として、
1  社会的距離
2  ソーシャル・ディスタンシング
とあり、更に調べると

社会的距離:個人と個人との間、集団と集団との間における親密性・親近性の程度。ソーシャル・ディスタンス。
ソーシャル・ディスタンシング【social distancing】:人から人へうつる感染症の拡大を防ぐために、人同士の距離を大きくとり、密集度を下げること。ソーシャル・ディスタンス。

とあるだけで、これ以上の事は判りませんでした。


◆しかし、デジタル朝日(2020年6月24日)の“「ディスタンス」と「ディスタンシング」、意味は違う?”というコラムで、大西一成氏(聖路加国際大大学院准教授)が質問に答える形で下記のような説明をされていたのを見て、松尾氏の言われんとすることが良く理解できました。

ソーシャル・ディスタンシングは感染予防に特化した言葉で「感染拡大を防ぐために物理的な距離をとる」との定義がされています。
医学論文では2006年、効果的な薬もワクチンもない感染症のパンデミック(世界的な大流行)の論文で初めて使われています。日本語訳としては「人的接触距離の確保」がわかりやすいと思います。報道などでは「社会的距離」との訳もよく見かけます。

・一方、ソーシャル・ディスタンスは、人間の心理的な距離を示して使う言葉として1940年代以降、子どもの社会性に関する研究などで使われるようになりました。
黒人やエイズウイルス(HIV)感染患者への偏見から、社会的、心理的に彼らとの接触を回避する現象を表す言葉として使われたこともあります。

・二つの言葉は学術的には大きく違いますが、新型コロナの流行の中では混同して使われ、ソーシャル・ディスタンスが人との物理的距離の意味で使われることが日本でも多いようです。世界保健機関(WHO)は意味を明確にするため「フィジカル・ディスタンシング」(Physical distancing)に言い換えました。


 やはり、コロナ感染予防に関しては、ソーシャル・ディスタンスよりは、ソーシャル・ディスタンシング或いは、フィジカル・ディスタンシングの方が適切な言葉の様ですね。(まさ)

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