老いの途中で・・・

人生という“旅”は自分でゴールを設定できない旅。
“老い”を身近に感じつつ、近況や色々な思いを記します。

茗荷(みょうが)あれこれ 

2024年09月13日 19時20分41秒 | その他
 冷奴が夏の主食であるような私には欠かせない薬味で、肉などと一緒に炒めても美味しくて我が家の冷蔵庫には絶えずありますが、先日不意に子供の頃に祖母から「茗荷を食べると物忘れする(或いは、頭が悪くなる)」と言われ、我が家では殆ど食べなかったことを思い出しました。

 ミョウガ(学名: Zingiber mioga)はショウガ科の宿根性の多年草で、英名はJapanese Gingerですが、東南アジア各地に自生しているが、食用で栽培されているのは日本だけとされる。

 食するのは花芽の部分で、それほど栄養価が高い野菜ではありませんが、その風味・香に人気のある爽やかな野菜として、日本原産の数少ない野菜の一つということです。

 名前の由来については、その花芽の香りの良さから「めが(芽香)」と称されていて、それが「みょうが」に転訛したという説もあるようですが、漢語「蘘荷」の呉音「にゃうが」が訛ったものだとか諸説あるようです。

 色々と調べている中で、驚いたのが昨日の私のブログ<「あほ・あほう」と「ばか」考 その② 語源など>の中で「馬鹿」の語源説の一つとして<③周利槃特(チューダ・パンタカ)説>というのを紹介しましたが、何とこの周利槃特(チューダ・パンタカ)が、茗荷とも深く関わっていて、「茗荷を食べると、物忘れする(或いは馬鹿になる)」という俗説の源であるということが判ったことです。

 周利槃特(チューダ・パンタカ)は、兄・摩訶槃特の勧めで仏弟子となったが、物覚えが非常に悪く、自分の名前すら忘れてしまうため、釈迦が「槃特」と書いた旗を作らせ、背中に背負わせてやった。しかし旗を背負ったことさえも忘れてしまい、とうとう死ぬまで名前を覚えることができなかったとも言われています。

 このような次第で、兄もそれを見かねて精舎から追い出し還俗せしめようとしたが、釈迦仏はこれを知って、彼に一枚の布を与え、「塵を除く、垢を除く」と唱えさせ、精舎(もしくは比丘衆の履物とも)を払浄することに専念させた。
 彼はそれにより、落とすべき汚れとは、貪(rāga)、瞋(dveṣa) 、痴(moha)という心の汚れだと悟り、すべての煩悩を滅して、阿羅漢果(阿羅漢果は修行者の到達しうる最高位であり、それ以上に学ぶ必要が無いので阿羅漢果を無学位といい、阿羅漢果に達した者を無学という)を得たとされ、十六羅漢の一人にもなりました。

 この周利槃特の死後、その墓所に生えた見慣れない草が生えていて、彼が「名」を「荷なって」いたことから、この草を「茗荷」と名付けたという俗説もありますし、また茗荷を食べると物忘れをすると言う俗説が生まれたようです。


 茗荷に関しては、茗荷を家紋にしていた武家も多かったようですが、これは「茗荷」の由来などには関係なく、「茗荷」の音が、神仏の守護を意味する「冥加(みょうが)」に通じたことからでしょう。

 そういえば、祖先の永代供養をお願いしている檀那寺のお世話役から毎年届くものに「冥加金のお知らせ」というのがあります。
 本来は、「冥加」は<神仏からの加護>の意味らしいのですが、冥加を受けたことに対する謝礼として寺院や神社に奉納された金銭や物資のことも「冥加」と称するようになったようです。

 また、江戸時代に山野河海などを利用したり、営業などの免許の代償として幕府や藩に対して支払ったりした租税がありましたが、これは金銭で支払われることが多かったために、冥加金(みょうがきん)・冥加永(みょうがえい、「永」=永楽通宝)とも呼ばれていたようです。
(まさ)

<JAグループ より>



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2 コメント

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Unknown (hisuinet)
2024-09-14 12:22:52
すごく勉強になりました!
ミョウガ大好きなんです。そういう謂れがあるのなら
しょっちゅう食べても気にしないでもいいですね。

ミョウガは花の蕾なんですよね。
その蕾を食べられることを発見した人に感謝です^^
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Unknown (まさ)
2024-09-14 12:45:36
hisuinetさん
ありがとうございます。
昔からの言い伝えも、調べて見ると事実とは関係なく、不思議な縁だけが切り離されて継承されているケースがあるようですね。
この歳になっても、新しい気付きが色々とあり、好奇心を持つことの大事さを改めて感じています。(まさ)
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