老いの途中で・・・

人生という“旅”は自分でゴールを設定できない旅。
“老い”を身近に感じつつ、近況や色々な思いを記します。

やはり、原発稼働の資格なし! 

2019年04月27日 19時51分27秒 | 原発関係
(久しぶりの原発絡みの書き込みです)

 先日の、毎日新聞記事を見てビックリ。
何と、原発稼働に伴って義務づけられている『特定重大事故等対処施設』(以下、“特重施設”と言います)に関して、原発を稼働中の電力会社の全てが、設置をまだ行っていないという事です。

◆原発問題には関心を持っているものの、この経過は全く頭に入っていなかったために、急遽“特重施設”について調べてみました。(原子力規制委員会や日本原子力文化財団などの資料を参照しました)

☆福島第一原発事故の教訓を踏まえて、原発施設の安全基準が見直され津波への対策を中心にして、以前の基準が見直され、下記事項について厳格な評価がされることになりました。
  ・津波対策(防潮堤)
  ・火災対策
  ・電源の多重化・分散配置等
  ・炉心損傷の防止(減圧、注水設備・手順)
  ・格納容器の閉込め機能(BWRのフィルタベント等)
  ・緊急時対策所
  ・原子炉から100mの場所へ電源車・注水ポンプ等を保管等

☆これらは自然災害への対策を主としたものですが、原発については、故意による大型航空機の衝突やその他のテロリズムなどを想定して、安全を確保するために“特重施設”として、更に下記のような放射性物質の外部への放出を抑制するための施設設置が義務付けられました。

・非常用の注水設備や電源、フィルター付きベント設備のほか、中央制御室が使用不能になった場合に備えた第2制御室など

・またこれらの施設は、原子炉から100mの場所に電源、注水ポンプ、これらの緊急時制御室を常設化することも要求されています。

◆これらの特重施設は、当初の設置期限は2018年7月だったが、再稼働に必要な審査に時間がかかることから、工事計画の認可から5年間猶予する制度に変更されていました。
 
 今回問題になったのは福島第1原発の事故以降に再稼動中或いは認可を受けた九電/四電/関電の6原発の12基について、これらの“特重施設”が設置されておらず、設置期限が守れそうもなく、1年以上遅れるということです。

 しかも、最も早く来年3月には設置期限が来る川内原発1号機も含めて、電力各社が原子力規制委員会にこの旨を申し出たのは、今年の4月17日ということで、規制委員会は24日の定例会議で、この期限延長の要請を受け入れないことにしたようです。

◆規制委員会の判断は当然で、規則通りなら各原発は工事計画の認可から5年間経過した時点で運転を中止して、特重施設の完成後に改めて運転申請をし直すということになるでしょう。


 電力会社としては、「高度で大規模な工事が必要となり、見通しが甘かった」というような理由を付けている様ですが、未だに“原発は主要電源”との方針を変えていない政府の政治的なバックアップを期待している電力会社の姿勢は明らかで、現に関電などは臆面もなく政治的な配慮を求める発言をしているようです。

 よもや、規制委員会が国民の安全を守るために自ら設置した基準を、政治圧力によって覆しはしないとは思いますが、差し迫ってから“やはり工事が間に合いませんので、期間を延長して欲しい”などとの要求を厚かましくも申し入れる電力会社には、福島第1原発の事故を目の当たりにしながらも、 当事者としてより一層の周知が必要とされる“原発の危険性”などを全く教訓として身につけていないようで、原発稼働の資格等ないと言えるでしょう。(まさ)