老いの途中で・・・

人生という“旅”は自分でゴールを設定できない旅。
“老い”を身近に感じつつ、近況や色々な思いを記します。

トランプ大統領のイスラム圏7ヶ国からの入国禁止令

2017年02月01日 19時50分03秒 | 政治・経済・環境・核兵器など
 早くも1月が終わり、新しい月になったので少しは明るいお話しをと思うのですが、今日はまた余りに幼稚な米国の大統領令に関してです。
馬鹿らしくて余り触れたくもないのですが、永久ではなく期限を区切った命令だとしても今回のイスラム圏7ヶ国からの入国禁止令は、世界的にも大きな反響を呼んでいますが、その中で日本の反応は余りにも寂しい限りで、何らかの意見を述べておくべきだと思います。

◆まず、お膝元の米国での反応ですが、
 ・司法省のイエーツ長官代理がこれに反対するような発言をしたとかで早々に解任されましたが、米各州の司法関係者やマスコミの多くは、“そもそも米国は移民に成り立っている国で、多様性が活力の源である”として反対もしくは距離を置く態度を示しています。

 ・また、産業界・スポーツ・学問の分野もまだ多くは模様眺めという状態でしょうが、その影響の大きさを憂い、“これは支持するべき政策ではない”との声が上がり始めました。

 ・しかし、共和党支持の白人系米国民を中心に、国民の多数がこれを支持しているとの報道もあり、ここら辺に米国の深い混迷が見られます。

◆西欧においても、フランスやドイツなど多くの国が不快感を示し、つい先日トランプ大統領と意気投合したと伝えられたイギリスのメイ首相も帰国後はこの大統領令には“同意しない”という趣旨の発言をされたようです。

◆どうしようもなく悲しくてやり切れないのが、我が国の反応です。
安倍首相は、就任前のトランプ氏に会って「信頼できる指導者である」と褒め称えて持ち上げた手前もあるのか、この大統領令に対しても早々に“コメントする立場にない”と応じただけですが、このような人道的な問題には明確に日本としての立場を主張すべきでしょうし、それがないようなら世界からの信頼も得られないでしょう。

 考えて見れば、我が国の指導者は飼い主とでもいうべき米国に対してはこのように顔色を伺うことしかできないのかも知れませんが、そもそもこの大統領令は安倍首相個人や現政権の人道問題に関する考え方に合致している部分があるのではと穿った見方もされるようにも思われます。例えば

 ・日本は難民の受け入れについては非常に冷たく、間接的に受け入れ国や機関に対する金銭的な支援はしているものの、直接に国が難民受け入れに積極的に動くことはない。(2015年度に置いて、認定されたのは30人以下)

 ・沖縄県民を“土人”呼ばわりした警察官の発言に対して、“差別と断じることはできない”と発言した担当大臣をそのまま留任させる。

 ・在日コリアンを対象とする醜いヘイトスピーチを行う立場の人のほとんどが現政権を熱心に支持している。

というような状態です。(まさ)

(この項は、1月31日付け毎日新聞「理の眼」に掲載のジャーナリスト青木理氏の記事などを参照させていただきました)