ちょっとマンネリですが・・・

ダラダラ過ごしている毎日のことあれこれ・・・・

世の中には、正直者がばかを見ないことも、ごくまれにはある。

2009年12月26日 | Weblog
「他力」五木寛之著より。

五木さんによると、正直者はばかをみるのが当たり前だということになる。わずか3ページのなかで、同じような言葉が何度も繰り返し使われていた。そして、この部分の表題は『「できないものは、できない」と思う』だった。五木さんは自分のことを、「努力型の人間ではありません。むしろ、その反対の、かなりいいかげんなタイプです」と述べている。しかし、努力するという姿にはあこがれてはいたそうだ。

何をやっても長続きしないのが生来の性格だと語るが、今までたくさんのベストセラーを世に出し続けてきた事実を知るととても信じられない。とくに20代のころは氏の作品を何冊も続けて読んでいたことを思い出す。氏によれば、少年時代の過ごし方で、その後の考え方も変わってきてしまうようだ。そして、何をどうがんばろうと、大きな社会の変動や時代のうねり前には、ほとんど無力なのだと感じているという。

これは、今の状況を振り返ってみれば理解もできる。景気が落ち込んだ状態ではどう個人が考え行動しようが、たちうちできない。だから業績が伸びている企業はそれだけでニュースになっている。景気低迷が続くために、学生たちは就職が困難で、すでに仕事に就いている人たちも先行きが不安なことは確かだ。少子化も今後も続きそうでもある。

そんなことを考えれば、個人の努力も善意も報われないのが当たり前だとも受け取れる。五木さんはむしろそのほうが多いのが人間の世界だとひそかに思っているようだ。正直者はおおむねばかをみる。努力はほとんど報われない。報われる方が奇跡だとも考えている。でも早く努力が空しくならない世の中になってほしいものだなぁ・・・