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素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

“星の森”がこんなに近くにあったとは!「灯台下暗し」とはこのこと。

2012年04月13日 | 日記
 “ジパング倶楽部4月号”のテーマ特集に『天晴れ八景!』がある。そこに慶應義塾大学附属研究所斯道文庫教授の堀川貴司さんの解説があった。それによると“八景”のオリジナルは中国にある。現在の湖南省にある巨大な湖の洞庭湖に流れ込む湘江(しょうこう)とその支流瀟水(しょうすい)、そしてそれらを取り巻く雄大な風景の時間や天候のもたらすバラエティーをうまく切り取って八つにまとめ水墨画の画題として11世紀に作られた『瀟湘(しょうしょう)八景』である。
   瀟湘夜雨(しょうしょうやう)・洞庭秋月(どうていしゅうげつ)・煙寺晩鐘(えんじばんしょう)・遠浦帰帆(えんぽきはん)
   山市晴嵐(さんしせいらん)・漁村夕照(ぎょそんせきしょう)・江天暮雪(こうてんぼせつ)・平沙落雁(へいさらくがん)


 この八つのうち、地名が入っているのは「瀟湘」「洞庭」の二つだけで残りの六つは寺、水辺(川や湖)、山、人家(市場や漁村)など、どこにでもありそうな場所である。このような普遍的な景物を設定したことで中国、朝鮮、日本でも『○○八景』という“ご当地八景”が次々と生まれてきた。日本に『瀟湘八景』が伝わったのは鎌倉時代後期である。それ以来各地で自分たちの住む場所の八景を作り、今や全国に400以上はあるといわれている。

 ご多分に漏れず交野市にも『交野八景』がつくられている。

     ① 妙見の観桜② 星の森の寒月③ かいがけの錦繍④天の樟船渓谷の朝霧
     ⑤ 獅子窟の青嵐⑥ 尺治の翠影⑦ 源氏滝の清涼⑧ 交野山の来光
交野八景詳細

 この中で“星の森”の場所だけがわからなかった。星田駅の近くにあるとだけ聞いていたので、徒歩3分以内と勝手にきめつけて星田駅に行った時で、時間にゆとりがあり気の向いたときにウロウロと探していた。しかし、いっこうにそれらしき所はなかった。人に尋ねればよいのだがそれもしゃく。昨日、チラシを見ていたら略地図の中に“星の森”を見つけた。思っていたより星田駅から離れていて我が家に近い。思わず「ええこんな所にあるのか!」と声が出た。「何が?」と妻が反応。「星の森や」「知らんかったん?」とそのことのほうが不思議という感じ。「平和台霊園よりこっちやな?」「T字の交差点のとこやで」「ええ!あそこか!?」2階建ての集合住宅と駐車場と建売住宅に三方囲まれた50坪弱の場所にクスノキが1本とツバキが数本植えられている。「看板もできてるやろ」と言われてもピンとこない。

 朝の用事が済んだところで確認するため出かけた。家から歩いて5分。
 駐車場があるため道路に面していなかったので見過ごしていた。
 最初に“星の森”と聞いた時、京都の“糺の森”のミニ版とイメージしてしまったのがまちがいのもとだった。ほぼ毎日、前を通り過ぎていても「何でここだけ取り残されているのやろ」というぐらいで、持ち前の好奇心すら働かなかった。伝説によれば、弘仁年間(810~824)に隕石が妙見山と光林寺と星の森の三ヶ所に降ったという。敷地内の中央には石塚が築かれ、天から降り注いだとされる星が御神体として祀られている。石塚の上には一番大きな石(星)が置かれている。
 とにもかくにも長年の?が解けたのですっきりした。

 道路をはさんで前を流れる傍示川の桜もそろそろ散り始めた。遅かった分例年より華やかなような気がする。
   
コメント
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