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密教とマンダラ 読す

2014年07月09日 | 読後記
密教とマンダラ             頼富 本宏著     講談社刊

密教は、3~4世紀頃のインドで「初期密教」が成立し、
7世紀頃により体系的な「中期密教」が起こりました。
これが中国を経由して空海により日本にもたらされました。
中国で惠果により「大日経」と「金剛頂経」が総合されて両界曼荼羅が成立し、
日本で空海によって完成されました。
インドでは、その後「後期密教」が成立し、これがチベットにもたらされ現在に至っています。
現在、密教が行われている国は、日本とチベットだけです。
密教思想の基本は、「即身成仏」と「密厳国土」です。
特に、密教は、身体と言葉と心という三種の行為形態(三密)を総合した
全身的行法をそなえているので、三劫という無限の時間を要しなくても成仏できる
という点を従来の仏教思想(大乗仏教)に対する
差別化のポイントとしています。
密教を現代的な視点から明快に捉えていて、とても読みやすい、
とても分かりやすい解説に溢れています。
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