木偶房 日日録

江上之清風 山間之明月

軒の出を50センチにする

2011年01月31日 | 作事記
軽井沢町には、景観育成基準ガイドラインというものがあり、
屋根については、軒の出を50センチ以上に、
屋根勾配を10分の2以上にしなければなりません。
その他にもいくつかの規制があります。
最近は、軒の出ていない建物も多く、50センチも軒を出している家など
見かけたこともありません。
どうしてこんな時代錯誤的な規制をするのだろうとも思いましたが、
よくよく考えてみると、
屋根は家を守る根本であり、雨の多いモンスーン気候の日本では、
昔から軒の出の大きい建物が作られてきたのも事実です。
この規制は、箱型の建物を排除していると思い当たりました。
越後島研一氏の著した「ル・コルビュジェを見る」という本の中に、
コルビュジェの設計したベニュス邸のことが書かれていますが、
彼の幾何学的で美しかった箱型の建物が、雨漏りが酷過ぎて
ついには傾斜した屋根が架けられ、見る影もないほど改変されていました。
やはり家はその土地の気候風土に応じた形になるのがいいのだと思い返し、
軒の出を50センチとしました。屋根勾配は10分の3としました。


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