木偶房 日日録

江上之清風 山間之明月

終の住処(Dek-11)習作す

2011年08月31日 | 作事記
Dek-11を造りました。
Dekシリーズもようやく10作を越えました。

今回は、
1階は主寝室と水廻り、2階はLDKとしました。
2階のLDKを、天空と一体となり自然と共に過ごせるような空間とするために、
両妻側を全面ガラスとするとともに、壁と屋根にスリットを入れています。



このスリットによって室内に光と影の縞模様ができ、
それが太陽の運行と共に動いて行きまので、
常に太陽(自然)を感じながら日々を過ごすことができます。

ちょっと暑いかもしれませんが、風通しはよいので、
室内気候はコントロール可能だと思います。




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終の住処(Dek-10)習作す

2011年08月24日 | 作事記
Dek-10を上梓します。

2階建ての主寝室と水回りを閉じた空間とし、
1階建ての居間・食堂・台所を開いた空間として対比させました。
また、
閉じた空間は箱式で、
開いた空間は壁と屋根の折紙式で対比させています。



<反省>
考えて模型を造るのはいたって楽しいのですが、
いきあたりばったりで
ケーススタディに一貫性がなくなってきてしまいました。
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アンリ・ル・シダネル展 鑑賞す

2011年08月23日 | 書画記
メルシャン軽井沢美術館では、
最後の企画となるアンリ・ル・シダネル展が行われています。
私は、この時まで全く知らなかった画家です。
こういう企画のできる美術館がなくなるのは本当に残念ですね。



「運河(ムイ)」という絵が気に入りました。
黄昏時、運河沿いに並んだ石造りの家の窓から灯がもれています。
何でもない静かな絵です。
黄昏と月夜の絵がこの画家の本領のようです。
昼の絵もありましたが、モネみたいと感じてしまいました。
日の出から黄昏時まではモネ、黄昏時から月夜まではシダネルと
二人で住み分けたのではないかと思えるほどです。

「室内(ジェルブロワ)」という絵も気に入りました。
これも静かな静物画ですが、花瓶に入れられた薔薇の赤が実に豪奢です。
こういう赤に匹敵するのは、セザンヌのリンゴの赤くらいかなと思いました。

「月明かりのテラス(ヴィマラランシュ)」という絵も気に入りました。
月を描いた絵は見たことがありますが、月の光そのものを描いた絵を見たのは初めてです。
痛く感心しました。
と、この絵を見ていると、突然、昔読んだ詩が脳裏に浮かびました。

      誰そ 彼と
      かはたれ時と
      忘れずに 幽暗の田の面を渡って
      風が吹く
      ノヴァリスも風となれ
      ヘルデルリーンも風となれ
      萩原朔太郎も風となれ
            ・・・読み人知らず





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メルシャン軽井沢美術館 訪問す

2011年08月22日 | 書画記
メルシャン軽井沢美術館に行ってきました。
メルシャンのウィスキー蒸留所の敷地内に開設された美術館です。
広い敷地内に美術館棟やショップ棟、レストラン棟などの複数の建物が
小さな村をイメージして配されているとのことです。



美術館は、元は樽貯蔵庫でフランスの建築家ジャン・ミッシェル・ヴィルモットという人が改装を計画したそうです。



改装なので外観は貯蔵庫ですが、
内観は黒、灰、白のトリコロールで綺麗で静かな空間にまとめられていました。
特に、訳もなく突き出した2階の簡潔なデッキは気に入りました。

こうした空間も今年の11月16日で閉館になるとは残念です。
残念ですが、ショップで今までのいろいろな展覧会のカタログが
なんと1冊200円で販売されていたのには驚きました。
驚きのあまり、よりどりで5冊買ってしまいました。
かなり得した気分です。



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カブトムシ 飛来す

2011年08月21日 | 日日録
軽井沢で夜を過ごしていると
網戸に何かぶつかった音がするので、
見てみると、カブトムシのメスがいました。
カナブンなどの甲虫が網戸にたかっているのはよく見ましたが、
カブトムシは初めてです。
森の中なので、ムシはいると思っていましたが、
今どきでも、
「カブトムシいるんだ!」とちょっと感動しました。



オスならもっと良かったな。

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終の住処(Dek-9)習作す

2011年08月18日 | 作事記
今回は、前作と同じ家型モデルです。
間取りも1階がLDKで、2階が寝室と水回りです。
では、何がテーマかというとカッティングです。
家型を斜めに切ったその切り口をスタディしています。
建物は3次元の立体で図面は2次元の平面です。
カッティングのスタディの面白さは、2次元と3次元のギャプにあると思います。
2次元では何でもない斜めの線が立体に立ち上がった時に、
想像を超えるものになる時があって、その瞬間が面白いのだと思います。
2次元で面白くても3次元にすると、ちっとも面白くない時も多々あります。



まだ単純なカッティングしかできませんが、
斜めカットは、その先に面白い世界が開けていると思います。
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終の住処(Dek-8)習作す

2011年08月17日 | 作事記
Dek-8を上梓します。

今回は、全体としては家型の外観ですが、
中央のプロムナードを小路として扱い
その両側に並ぶ部屋を家々に見立てて、
町並みを造ってみました。

玄関から入ってプロムナードを歩いた時に
ヨーロッパの裏通りみたいな雰囲気がでれば
いいなと思います。


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蝶 夏を貪る

2011年08月16日 | 日日録
盆休み中に父、母を伴って湯の丸高原に行ってきました。
軽井沢町内の名所はどこも超混雑が予想されるので、
ちょっとだけ遠出をしてみました。
お昼すぎに湯の丸高原の地蔵峠に到着しました。
ここまで来たので、池の平湿原まで足を伸ばそうとしたら、
池の平湿原へは車の乗り入れが禁止されており、
上高地のように専用のシャトルバスで行かねばなりませんでしたが、
行ってみると、高原のさわやかな風がそよぐ快適な風景を堪能できました。



池の平湿原に向かう遊歩道を歩いていると、
路傍の高山植物に蝶が群がりついていました。
こういう光景は、麓ではあまり見かけませんが
短い夏を精一杯貪っているのだなと思い、
生命力を感じました。













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終の住処(Dek-7)習作す

2011年08月07日 | 作事記
前作に続いて、Dek-7を上梓します。

今回は前回とは逆に
1階に居間・食堂を配してテクトニック扱いとし、
2階に主寝室を配してステレオトミック扱いとしました。
2階を強調するため全て丸窓としました。
また、1階テラスの上部に2階を斜めに張り出すことで、
斜めに覆う屋根によってテラスを内部化し
何となく守られた感じを生み出す効果を期待しました。



最近、この作業が休日の楽しみとなってきたので、
とりあえず100棟の目標も達成できるかもしれません。
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終の住処(Dek-6)習作す

2011年08月06日 | 作事記
19世紀ドイツの建築家ゴットフリート・ゼムパーが称えたそうですが、
建築を構築する方法がふたつあります。
テクトニックとステレオトミックです。
テクトニック(tectonic)は、軽量の線材を空間を囲み込むように組み合わせて結構する方法で、
日本の伝統的な木造建築はこの結構術によっています。
ステレオトミック(stereotomic)は、重量部材(石や煉瓦)を積み上げることで空間を結構する方法です。
西洋の石造建築は、この結構術によっています。
このふたつの結構術を建物の表現方法として利用できると思います。

今回上梓したDek-6は、
2階の居間・食堂は、ガラスで囲まれた透明で解放的な空間としてテクトニックで表現し、
1階の主寝室や水廻りは、壁で囲われた閉鎖的な空間としてステレオトミックで表現しました。



このふたつの概念は、空間の性質を決定し表現する要素として非常に有効だと思います。
しばらく使ってみようと思います。


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