木偶房 日日録

江上之清風 山間之明月

玄関室を試みる

2011年04月27日 | 作事記
かねがね靴を脱ぐだけの場所なのに、玄関廻りを豪華にしたりするのは何故か?と思っていました。
玄関というのは、仏教用語で異空間への閾としての役割を担っていたようです。
設計当初は、大げさな玄関ドアは不要と考え、透明ガラスのテラスドアを玄関ドアにし、
古民家の土間を意識して、6畳の大きな玄関ポーチを計画しました。
この玄関ポーチは、外部として扱っていましたが、工事が進むにつれて
ガルバリウム鋼鈑のつもりだった壁は、木を張った方がいいとか、
小屋裏現しでなく、天井も張った方がいいとか、
床も枕木のつもりでしたが、レッドシダーの方が綺麗だとか、
引き戸もあった方がいいとか、
何度も変更を繰り返し、ついには、部屋になってしまいました。
それが玄関室です。
こうしてできた木偶庵の空間構成を図化すると

となります。
また、出来上がった玄関室はこんな姿です。





問題は、靴脱ぎの場所が曖昧になってしまったことです。
この問題は、これからの生活の中で模索して行きたいと思います。
この空間の利用法も、これから考えて行こうと思っています。




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空間構成を位相の違いで考える

2011年04月26日 | 作事記
位相幾何学(トポロジー)という連続性のみに着目した幾何学がありますが、
住宅の空間構成を区別する時にこの見方が有効だと思います。
空間構成として、位相幾何学的な3つのパターンを考えました。
1 インディヴィデュアル
2 プロムナード
3 ユニバーサル      です。

木偶庵は食堂、居間、寝室の3つの機能空間で構成されています。
1 インディヴィデュアルは、3つの区分された部屋で構成されます。いわゆる普通の生活空間です。
私には、安息はあるがつながりがないように感じられます。
3 ユニバーサルは、3つの機能空間を1つの大きな空間に包含してしまうものです。
住宅で言えばミースのファンズワース邸に代表される様な美しい空間ですが、
私には解放的すぎて安息がないように感じられます。
これに対し
2 プロムナードという空間構成が考えられます。それは、半分区分され半分連続した曖昧な空間で、
私には安息もありつながりもあるという良いものに思われます。
プロムナードは、こんな感じに出来上がっています。





これから生活してこの空間がどんなものか確かめてみます。
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ついに完工しました

2011年04月25日 | 作事記
木偶庵がついに完工しました。
この土地を気に入って購入してから、
ついに3年目の春です。
今度の連休から家具を入れ、カーテンを吊るし軽井沢生活を始めます。
工事中にかなり土を掘り返したり移動したりしたので、
今は土塊の上に建っている状態です。
これからは、庭作りに精を出そうと思っているので、
いままでの「建築記」に「作庭記」を加えることにします。




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門柱が付きました

2011年04月23日 | 作事記
枕木の門柱ができました。
うちは5人家族なので、5本の枕木で構成しました。
インターホンの付いている2本抱き合わせの枕木が私たち夫婦を
残り3本の枕木が、我が家の3人の子供を象徴しています。
何かにつけ、象徴的な意味を持たせるというのは楽しいもので、
人類が周辺のあらゆる事象に飽くことなく意味を与え続けたのも
何となく分かる様な気がします。


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テラスができました

2011年04月18日 | 作事記
ついにテラスができました。
もうほとんど竣工です。
テラスは、床だけで手すりはありません。
落ちても怪我をするような高さではありませんが、
落ちる人はいるでしょう。
多分私が落ちると思います。
でも、手すりはつけません。

このテラスに入る者は
Enter at your own risk ! 
です。


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薪ストーブが付きました。

2011年04月17日 | 作事記
十和田石を張った薪ストーブ置き場に
ついに薪ストーブが付きました。
ヘルゴン マーズ という小型の薪ストーブです。


建設前に伐採した木を庭に置いておいたので、
これをチェンソーで切り、斧で割って薪にしようと
思っていますが、長い間屋外に放置したままにしたため
大分痛んでおり、薪になるかどうか不安です。

それでも、しばらくは休日の大半を薪作りに
費やすことになるでしょう。
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一面の菜の花

2011年04月17日 | 日日録
今日、茨城に行きましたが、立ち寄ったスーパーの裏の小貝川の土手は、
一面菜の花に埋め尽くされていました。


ふと、山村暮鳥の詩が頭に浮かびました。

いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのなな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
かすかなるむぎぶえ
いちめんのなのはな

桜も咲いたし、春の盛りです。
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住宅は住むための機械である

2011年04月16日 | 日日録
「住宅は住むための機械である」とは、ル・コルビュジェの言葉ですが、
この言葉をひたすら信じて、忠実に実行したのが日本の住宅のように思われます。
日本の住宅は、本当に機械です。
屋根の上には太陽光発電パネル、家の裏にはエコキュート、
部屋に入れば、24時間換気装置と火災警報装置があり、
照明器具はLED、床には床暖パネル、床下には床下換気装置、
台所にはシステムキッチン(IHヒーターに食器洗い乾燥機)、
洗面所には洗面化粧台、浴室にはシステムバス、便所にはウォシュレット付便器、
と数え上げれば切りがありません。
このままでは、機械というよりロボットとなってしまいます。
日本の住宅は、なにか違う所に来てしまったようです。
せめて、コルビュジェのいう機械に戻り、心的要素を回復すべきかと思います。

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工房もできました

2011年04月12日 | 作事記
2階の工房もできました。
この部屋は、土曜建築家と日曜画家の拠点となる予定です。
南側に横連窓の腰窓、北側に横連窓の高窓が付いています。
これで通風と採光は完璧です。
床は杉板、壁は品合板、天井はOSBで仕上げています。
1間半の壁を全て本棚にしました。
この部屋で、浅間山とか、雲場池とか、
軽井沢八景でも描きたいと思っています。




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十和田石を張りました

2011年04月11日 | 作事記
この家には、いわゆる玄関がないので、
居間の石の床の部分が、玄関の踏み込みと薪ストーブ置き場を兼ねます。
当初は、大谷石を張ろうと考えていましたが、
最終的には、十和田石になりました。
どちらも凝灰岩なので、火に強く、柔らかい肌触りの石です。
薄緑色の綺麗な石です。濡れると綺麗な緑色になるので
風呂場などによく使われるそうです。
真ん中のあるのが玄関ドアです。
よくある玄関ドアは、いかにも玄関風でごつすぎるので、
テラスドアを使いました。
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