木偶房 日日録

江上之清風 山間之明月

近代絵画を「比」で見る

2011年02月27日 | 書画記
風景画を描こうとした時に、
空と地の構成比をどうするかを決めなければなりません。
何となく感覚的に決まるということもあると思いますが、
私は、「比」を意識して決める方を好みます。
近代絵画を振り返ってみても作家により好みの「比」があるように思われます。
私が勝手に分類したものが下表です。

ロマン派や自然主義の頃(フリドリッヒ、ターナー、コンスタブル)は、
第5比(5/8黄金比)を使用していますが、
印象派になると第2比(2/3)と第3比(3/4)を使用しています。
画面に占める「空」と「地」の割合を見ても、
「空」から「地」へと変化していることが分かります。
これは、夢(ゆめ)重視から現(うつつ)重視になった表れでしょうか?
また、同じ印象派でも、
楽観的な人(モネなど)は第2比(2/3)、
悲観的な人(クリムトなど)は第3比(3/4)を好むようにも思われます。
第4比(5/7)は、誰も使っていないようなので仮説が誤っているかもしれません。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 障子の桟は外か内か? | トップ | ミモザが咲き出しました »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

書画記」カテゴリの最新記事