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利休の「わび」とはなにか 読す

2015年05月23日 | 読後記
利休の「わび」とはなにか     神津朝夫著   角川学芸出版刊

利休の茶のバイブルとされている「南方録」にはかなり捏造が含まれている
ことが丹念に述べられていますが、運び点前の重要性についての記述は
目から鱗でした。
運び点前は、台子点前の対極にあるわび茶の基本点前です。
台子点前が茶入・茶碗をはじめとする茶道具を台子や床にあらかじめ飾っておき、
その道具を使って茶を立てる点前であるのに対して、
運び点前はそうした茶道具を飾らず、
それらを持ち出すところから点前をはじめます。
すなわち、茶を点てることを主として、その為の手段にすぎない道具を従とする点前です。
運び点前は、無から初めて無に帰るということですね。
茶を立てる点前ばかり稽古して、運び点前は軽視していました・・・反省です!
利休は、藤原家隆の歌を常に口ずさんでいたそうです。
花をのみ待つらんひとに山里の雪間の草の春を見せばや
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