とぎれとぎれの物語

瀬本あきらのHP「風の言葉」をここで復活させました。小説・エッセイをとぎれとぎれに連載します。

花咲く電信柱 (連載第1回)

2014-12-22 23:17:31 | 日記
花咲く電信柱 (連載第1回)


 電信柱を侮ってはいけません。無能ののっぽが立っている。そう言って嘲笑している人たちを上のほうから却って笑っているのです。繋がっている電線を支え、強い風の中でもカラスたちに止まり木を提供しています。立派ではありませんか。何ですか。電信柱と電柱とは違う、ですって。いやはや細かいですね。私は昔の木製の柱のことを言っています。えっ、昔も二つを区別していた、ですって。いやそんなことどうでもいいのです。「電柱に花が咲く」でもいいのです。私自身が電信柱、いや、電柱、・・・ややこしいなあ、電信柱としましょう、私は実はその電信柱なんです。

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