とぎれとぎれの物語

瀬本あきらのHP「風の言葉」をここで復活させました。小説・エッセイをとぎれとぎれに連載します。

守護神のお祭り

2014-01-10 23:25:38 | 日記
守護神のお祭り


 京都八坂神社(出典 http://photo-pot.com/)

 京都の八坂神社の主祭神は 中御座:素戔嗚尊 (すさのおのみこと)東御座:櫛稲田姫命 (くしなだひめのみこと)西御座:八柱御子神 (やはしらのみこがみ) - 素戔嗚尊の8人の子供(八島篠見神、五十猛神、大屋比売神、抓津比売神、大年神、宇迦之御魂神、大屋毘古神、須勢理毘売命)である。全国にある八坂神社や素戔嗚尊を祭神とする関連神社(約2,300社)の総本社である。島根県松江市の八重垣神社にも素戔嗚尊、櫛稲田姫命の二神が祀られている。八俣の大蛇を退治して櫛名田姫を得た須佐之男命は出雲の国をさすらった。やがて大原郡須賀の地に至ったとき「八雲立つ出雲八重垣妻ごみに八重垣作るその八重垣を」と歌った。この古事記の記載によって須賀神社が建立された。島根県松江市佐草町の八重垣神社は古く佐久佐神社と称したが、中世にこの大原郡須賀の八重垣神社を迎え、相殿としたのである。


中村仙女の約束は出雲に帰ってから古賀所長に報告しました。しかし、「母」に会って手紙で不思議な予告をされたことは触れませんでした。また、綾乃さんを京都に連れて行きながら、佐久良とは会わなかったことは深くお詫びをしました。所長はあまりいい顔をしませんでした。きっと佐久良のその後の様子を直接聞きたかったに違いありません。二宮の勧請・遷座については既に仙女から知らされていたらしく、頷いていました。
 ご縁市場守護神の二神の祠はそれから一か月間に二つとも整いました。氏神にあった諏訪神社は神社関係者の圧倒的な支持によって遷座が叶いました。代わりに新しい祠が作られ、素戔嗚尊と櫛稲田姫命が京都の八坂神社から勧請されました。新設の祠は仙女が建てました。勧請に関する諸費用も仙女が負担したということです。ご縁市場の新設の祠にも八坂神社から二神が勧請されました。八坂神社から神官が数名おいでになり、ご縁市場の役員たちが参列する中、にぎにぎしく勧請の儀式が執り行われました。地元関係者は改めて中村仙女の偉大な力を知ることとなりました。恐らく里見オーナーのバックアップもあったに違いありませんが。
 そういう儀式がすべて完了してから急にご縁市場は年末に慌しく動き出しました。統一行動へ向けて準備が整っていきました。新年を迎え、朝、ご縁市場関係者がすべて劇場に集まりました。顧問が統一行動の宣言をしました。テレビ局のカメラがいくつか会場に入っていました。


 みなさん明けましておめでとうございます。昨年の末、このご縁市場に四柱の守護神をお迎えいたしました。八坂神社から素戔嗚尊と妻の櫛稲田姫命、そして地元諏訪神社から建御名方命と妻の八坂刀売命です。天つ神と国つ神、しかも二神とも武勇に秀でておられます。出雲大社には大国主之神がお祀りしてあります。それを陰で支える二神が出雲の地に改めて鎮座しました。そうです、新たな神話の始まりの年を迎えたわけであります。当市場挙げて新阿国座とともにその慶事を祝したいと思います。本日から七日間、秋津島根の弥栄を祝し、諸行事を執り行います。メインは浦安の舞です。ウラは心です。日本国民が心安らかに過ごせるよう祈念いたしたいと思います。みなさん、どうか、力を合わせてこの行事を成功させましょう。・・・都、京都の神社にも呼びかけています。恐らく賛同していただけると思います。湖笛はこの劇場で、新阿国座は八坂神社の境内で、それぞれ国鎮めの舞いを始めます。湖笛の舞台では雪月花それぞれ順番に総踊りを始めます。それでは劇団のみなさんよしくお願いいたします。
 舞台に雪組のメンバーが麗華を先頭に現れました。続いて、月組のメンバーは笙子が引き連れて現れ、花組のメンバーは綾乃を先頭に登場しました。すべて巫女姿です。・・・麗華が一番前のメインマイク前に出て、深く一礼しました。

 みなさま、新年明けまして、おめでとうございます。私たちは初春を寿ぎ、併せて、この日の本の国の平和をご祈念して、不束ながら、浦安の舞いを演じさせていただきます。今、しばらくの間、お付き合いのほど、隅から隅まで、御願い奉ります。
 それから踊りが始まりました。よく見ていると、所謂ウラヤスの舞いとは少し違うと感じました。地味な舞いを楽しくスリリングに演じていました。観客は、三組の舞いの違いを感じながら舞台に吸い込まれるように見入っていました。私は綾乃の舞い姿を初めて見ましたが、華麗そのもので、うっとりするような甘美な気分になりました。

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